前回のあらすじ
・霊夢と萃香に遭遇
・少年説明中...
・美少女萌え
第三話
で。
霊夢の神社で過ごすことになった俺は、寝かされていた布団から出て神社の境内を掃除している。
どうやら俺は一日中寝ていたらしく、夕方に連れ去られたというのに、今の時刻はおよそ午前八時。目を覚ましたのは七時頃だった。もしかしたらここ最近の相談や何やらで溜まっていた疲れが一気に出たのかもしれない。俺はそんなことを考えながら、玉串の刺さった床を直していた。
その後、とりあえず霊夢が用意してくれた食事を俺と萃香を加えた三人でとり(明日からはご飯よろしくと言われた)、食後にまったりと休憩中。そうしていると、つい元の暮らしのことが気にかかる。
家族は心配しているだろうな、とか。今日はまだ平日だけど学校は、とか。幻想郷にいる今、気にしても仕方がないことだとは思うが、それでも気になると言えば気になる。
そんな感じに頭だけはぐるぐると回り続けていた俺に、霊夢が声をかけてきた。
「暇なら、お掃除手伝ってくれない?」
と。
いい加減、思考もネガティブな方向に行きそうなところだったので、俺は二つ返事でそれを受け、今に至っている。
「今日はいい天気だなー」
「そうね。ここのところは雨もないし……ちょっと、空気が乾燥しているくらいかしら」
世間話をしながら俺たちは手に持った竹箒で、さっさっと境内をひと掃きふた掃き。鳥のさえずりなんかも聞こえてきて、非常に平和な一時である。
「人、来ないなー」
「朝だから。ええ、だって朝だから」
妙に朝を強調する霊夢は、ちょっと悔しげだった。
やっぱり人はほとんど来ないらしい。まあ、信仰心とかそれ以前に何の能力ももたない人間が人里と神社の間にある森を歩けないことが問題だと思うが。とにかく、立地条件が悪いのだ、この神社は。
「もう……妖怪なんかはいっぱい来るのに、誰もお賽銭なんか入れていかないし……。ホント、どうなっているのかしら。いっそ全員から巻き上げてやりたいわ」
「いや、それはやめとこうよ」
博麗の巫女がそんな暴挙に出るのは問題だろ。なによりその理由が、お金に困ったから、というのは何とも言えない。そう思って、やんわりと霊夢の提案を却下する俺であった。
「そういえば、萃香は?」
朝ごはんの後から姿を見ない鬼を引き合いにして話題転換を図る。もし綿密な計画を立て始めたりなんかしたら困るからだ。さっきの霊夢は、ちょっと本気だったと思う。
「ああ、萃香ならどっかに隠れてお酒飲んでるか、寝てるんでしょ。あいつが能力使ったら私には見えないから、自信はないけど」
全然手伝ってくれる気ナシだな萃香。
俺がそう言うと、霊夢は、予想はしていたわと気にした風でもない。いや、それはつまり家事その他をすべて俺が担当することになるわけで。ちょっとは気にしてほしいんですが。
「……でも、本当にいい天気ね」
不意に霊夢は顔をあげて空を見上げた。俺もそれにつられるように上を見上げ、一面の青と時々流れてくる雲を眺めて、相槌を打つ。
「うん。本当にいい天気だ」
ぽかぽかと暖かい陽気は実に気持ちいい。それに、ここでは学校のみんななどに囲まれることもない。頼られているとはいえ、毎日寄ってこられるのは苦痛だ。それがない今、心身ともに生まれ変わったような気さえするのだった。
「……ねぇ、恭司さん」
「え?」
名前を呼ばれて、空から霊夢に視線を移す。霊夢は困ったように眉を寄せて空を見上げていた。
「こんなに空は天気で晴れ上がっているのだから、うちの賽銭箱も晴れ上がっているのかしら?」
……いや、何を言ってるんですか霊夢さん?
何をちょっと真剣な表情で言うのかと思ったら、そんなことですかい。と、口に出していったら怒られそうなので、心の中で思うだけにしておく。
視線を落として、はぁ、とため息をつく霊夢。絵にはなるが、ため息の原因がお賽銭だというのが残念でならない。
「なにかいい発想はないかしら? 恭司さんも考えてくれない?」
箒を手で操りながら霊夢は言う。
……これも相談、だよな? これが能力のせいなのかはわからんが、霊夢はそんなに人を頼るって奴ではないはず。まあ、本人に会ったのはこれが初めてなのだから、本当は違うのかもしれないけど。
とはいえ、相談を受けたからには答えを返さねばなるまい。だが、思いつくアイディアは何もない。俺は幻想郷の現況なんかを知らないのだから、当たり前っちゃ当たり前である。
「うーん……じゃあ、俺も何か考えてみるよ。思いついたら言うから」
「ありがとう。お願いするわ」
と、微笑んで言ってくれる霊夢。うん、美少女に感謝されるのはいいものだね。俺は少しだけ上機嫌になって境内の掃除に戻るのだった。
境内の掃除を終え、そのまま廊下の掃除に向かった俺は、雑巾を絞って床にぺたりと置く。そして、その上に両手を乗せて体重を乗せると、一気に駆けだした。
「とりゃああぁ!」
ばたばたと音を出しながら廊下を雑巾で拭いていく。気分は完全に小学生だ。昔はこんな風に友達と競ったりしてたよなぁ、なんて懐かしい気持ちで雑巾がけをする。
ちなみに、さっきまで一緒だった霊夢は自室で寝ている。
「せやぁああ!」
四角い家の縁側二方向にある廊下を順に雑巾がけする。最初の縁側を掃除し終えた俺は、残すもう一つの縁側に座り込んで雑巾をぺたりと置いた。
そしてもう一度力をこめて雑巾がけを開始する。
「どりゃぁあ、あぁッ!?」
途端、何かに蹴っ躓いて派手にすっ転んだ。目で見る限りは何もない空間だった気がするのに、何か柔らかいものに突っ込んだ感じがしたんだが。
転んだ際にぶつけた頭を押さえながら、俺は躓いた箇所を振り返った。
「むー……。なんだよ、騒がしいなぁ」
どこからともなく声が聞こえた。と、思ったら目の前でうっすらと姿を現し始める幼女の姿。
それは俺がさっき霊夢に行方を尋ねた伊吹萃香に他ならなかった。
「す、萃香? 寝てたのか?」
「ん……まあね。……それより、恭司いま何したの?」
欠伸を噛み殺しながら俺によく分からないことを問う萃香。何をしていたかと言われても、何か特別なことをしていたわけでもない。していたとすれば掃除だけだ。なので、そのままを伝える。
「雑巾がけだけど……」
「それだけー? うーん……ならなんで薄くなってる私にぶつかれたのかなぁ? すり抜けるのが普通なんだけど」
「そーなのかー」
確かに密度を薄くしているんだったら、すり抜けると言うのは納得だ。しかし、だとしたらなぜ俺はぶつかったんだろ。これも紫が言う能力なのか?
「まぁ、いいや。ところで恭司、いま掃除してるんだっけ?」
「え、うん。まあ」
ひょっとして手伝ってくれるんだろうか。そんな淡い期待を抱いた俺に、萃香はのそりと立ち上がりながら口を開く。
「そ。じゃあ掃除終わったところ教えてよ。そこで寝るから」
「………………西側の縁側は終わってるよ」
ん、と頷きながら移動する萃香。……そんなことだと思ったよ、こんちくしょう。
それから数十分。なんとか掃除を終えた俺は、自分でお茶を入れてまったりとしていた。
「はぁ……お茶が旨い」
ほぅ、と息をつきながら緑茶を堪能する。これが元の世界ならテレビでも見ながらごろごろするんだが、幻想郷にテレビはない。香霖堂に行けばあるかもしれないが、電波がない以上ただのガラクタである。あってもいらない。
まぁ、テレビがなくても幻想郷には豊かな自然がある。開け放たれた障子の向こうに覗く青い空や山の緑を見ながらお茶を飲むののオツなものだ。むしろ現代日本ではこういう景色のほうが珍しい。十分それだけでも楽しめる。
それにしても、人の家だと言うのに俺も随分とくつろいでいるものである。お茶は好きに飲んでかまわないと言われているから別にいいけど。お茶菓子については聞いていないから手を出さない。もし手を出して霊夢の機嫌を損ねたら大変だ。異変解決を生業とする博麗の巫女に、ただの人間が敵うわけがない。
せめて自分の能力が分かれば抵抗ぐらいできるようになるのだろうか。ずず、とお茶をすすりながらいまだ見ぬ未来を夢想する俺なのだった。
ガン、ガン。
「ん?」
その時、不意に耳に届いた二つの音。どう聞いても玄関の扉を叩くノックの音である。
誰かお客様が来たらしい。どうしよう……霊夢を起こすべきだろうか。いや、無理に起こして八つ当たりをされたら怖いしな……。とりあえず、誰が来たのかだけでも確認しておくか。
若干ヘタレな思考のもとにそう決定した俺は、立ち上がって玄関に向かう。
ガン、ガン。
再び鳴らされるガラス戸を叩く独特の音。
「はいはーい、いま出ますよっと」
人影が映るガラス戸の前に立ち、鍵が付けられていない扉を開ける。鍵ぐらいつけとけばいいのに、と思うのは物騒な現代に生きる者ゆえか。そんなことを頭の片隅で思いながら、扉の向こうにいたお客様に目を向ける。
「……ん? 見ない顔だな……ああ、お前が紫様が言っていた――」
何やら怪訝にしたり納得顔になったりしているお客様。頭に先が二つに分かれた帽子をかぶり、ワンピースと着物の中間のような服装をした、九つのもふもふとした尻尾を持ったその女性は、
――うん、どこからどう見ても八雲藍です。本当にありがとうございました。
「っていうか何故ここに!?」
「いや、紫様に言われて少しな。……それはそうと、まずは自己紹介といこうじゃないか」
思わず声に出した俺の疑問に律儀に答えてくれながら、彼女は俺にそう提案した。わずかに笑んで言ってくれているのはこちらを緊張させないためだろうか。
うーん、やっぱり人格者なんだなぁ。今のところ紫と霊夢と萃香というトンデモ三人組に会っただけなので、なんだか新鮮だ。
と、いうわけでまずは自己紹介をば。
「はじめまして。私は八雲紫様の式をしている八雲藍という。藍と呼んでくれ」
「あ、はい。俺は各務恭司です。はじめまして、藍さん。俺も恭司でいいですよ」
玄関先でお互いに頭を下げてちょっと微笑む。そんなやりとりを交わした後、俺は藍さんを家に上げ、家主である霊夢を起こしに向かうのだった。
「で? 珍しいじゃない、あんたが来るなんて」
睡眠を邪魔されて少々虫の居所が悪いのか、霊夢は微妙に目つきの悪い顔で藍さんのほうを向く。
それに対して申し訳なさそうな空気を出しながら苦笑する藍さんは大人だ。やはり苦労していると、そういった態度が可能になるのだろうか。紫には相当手を掛けさせられているに違いない。
「まあ、確かに。私は紫様に頼まれたことをしているだけなのだがな」
さっきまではこれを、と言いながら藍さんが取り出したのは、巻尺やら定規やら、他には三脚とか諸々。ようするに測量の道具たちだった。
なんのことだ? と疑問顔になる俺と違って、霊夢はそれで藍さんが何をしていたかを悟ったようだった。わずかに眉を寄せる。
「結界の確認作業? なんでまた急に……」
訝しげな声を出す霊夢に頷いて、藍さんは俺を一瞥した。
「紫様が言うには、不確定要素が入り込んだから一応、だそうだ。それと同時に、博麗神社に行って彼に伝えてほしいと伝言も預かっている」
名前も言わずに寝てしまわれたんだがな、とため息を漏らす。うーん、美人のため息はそれだけで絵になるな。なんて思わず見とれていると、霊夢に腕をつつかれた。
「……ちょっと、恭司さんのことでしょ“彼”って。なにを呆けてるのよ」
「は、あ、ああ」
ついつい美人さんの仕草に気を取られてしまった。だけど、それも仕方なくない? だってあの八雲藍ですよ? しかも狐っ娘ですよ? あのふかふかの尻尾も目の前にあるんですよ? そりゃ思わず目がいってしまうってなものでしょう。
きっと俺の友達は全員が頷いてくれるに違いない。もっと仲良くなれたら絶対にもふもふさせてもらおう。内心でそっと誓う俺である。
「えーっと、藍さん? それで、紫から俺に伝言って?」
ちなみに俺は紫は呼び捨て、藍さんはさん付けだ。尊敬度の度合いといえるだろう。いきなりスキマに落としてくれた紫と、控え目で大人っぽい藍さん。うん、比べるまでもない。
……まあ、最初に心の中で非常にアレな単語を思い浮かべた俺が原因なのだが。それでも、あの怖さは尋常じゃなかった。周りの目がいっせいにこっち見るし。あれ、下手したらトラウマだよ。
思わずぶるりと肩を震わせた俺を前にして、藍さんが口を開く。
「ああ。とりあえず、そのまま伝えさせてもらおう。『夜になったら神社に行くわ。それまで待ってなさい』以上だ」
「みじかっ!」
しかも俺たちの予想と寸分違わぬ内容だ!
てっきり俺の能力について思わせぶりな発言をしてこっちの気を揉ませるとか、そういう予想をしていたと言うのに。そんなに面倒くさかったのかゆかりん!
「……まあ、あいつらしいと言えばあいつらしいか」
はぁ、と霊夢がどこか諦めたような表情で言うと、藍さんもそれに苦笑で応えた。
「私から見ても眠そうだったからな、あの時の紫様は。……ところで、だ。それ故に私は全く事情を聞いていないのだが、いったいどうなってるんだ? 状況からして、紫様が彼を連れてきたのだろうということは分かるのだが……」
困惑気に言う藍さんは 、本当に何も知らないようだった。まあ、紫が帰ってさっきの伝言を残した後すぐに寝たのだとすれば、藍さんがそれを知る機会がなかったのも当然か。
俺は霊夢と目を合わせて頷きあうと、最初に霊夢たちにしたような説明を藍さんにも話して聞かせた。
「――と、いうわけで」
「うちに居候することになったってわけよ」
別に藍さんはどうして博麗神社にいるのかを聞いたわけじゃないと思うんだけど。そう思いつつも口に出せない俺は、やっぱり朝の玉串が効いているのだろうと思う。
とりあえず俺の話を聞き終わった藍さんは、やはり驚いた後どこか納得がいっていない様子で眉を寄せていた。
「紫様の能力の……。本人がそう言っているのだからそうなんだろうが、どうにも納得しづらいな」
「その気持ちは分かるわ。紫の能力なんて規格外中の規格外。それに属する能力をただの人間が持つなんて、ね」
呆れたように言う霊夢だが、その気持ちは俺だって同じだ。自分がそんな能力持ちだったなんてまさに寝耳に水だったのだ。しかもいきなり幻想郷まで連れてこられたのだ。了承はしたが、まさか何の準備もなくいきなりとは思っていなかった。むしろ俺のほうがため息も出ようというものだ。
「人に頼られる……か。予想できなくもないが、下手に考えるより、紫様に聞いたほうが確実か」
「そうね。夜にはたぶん紫から説明があるだろうし、これから暫くは恭司さんの能力の訓練が続くんじゃないかしら」
ずず、とお茶をすすりながら霊夢は言う。ちなみにそのお茶は俺が入れたものだ。
「……ん。恭司さん、意外とお茶入れるの上手いわね」
「そりゃどうも」
意外ってなんだ。
「えーと、まあ、というわけで俺はここにいるわけです。俺自身、紫が言う能力ってのは気になってるんで、夜が少し楽しみ半分不安半分ってところかな」
「そうか」
俺がおどけたようにそう言うと、藍さんは少し表情を崩して笑ってくれた。そしてこちらも俺が入れたお茶を飲んで、旨いと言ってくれる。うん、かなり嬉しい。霊夢じゃなくて藍さんになら小姓として仕えてもいいかもしれない。
……ああでも、大親分があれなのでやっぱり勘弁。それならまだ霊夢のほうがいいか。霊夢も美少女であることに違いはないし。うん。
結局のところ、かなり男の本能によって自分の行き先を決めようとしている自分に気づく。しょうがないじゃないか、だって男の子だもん。
「さて、それじゃこれからどうするの? 夜までここにいる?」
霊夢が問うと、藍さんは首を横に振った。
「いや、私がいなければ紫様は起きないだろう。夜になったら橙も連れてまた来るさ」
「そ」
藍さんの言葉に一つ頷いて、霊夢は残りのお茶を飲み干す。そして湯呑をトン、と卓袱台に置くと、上半身で伸びをして立ちあがった。
「それじゃ、私はもう少し寝るわ。まだ夜まではいくらか時間があるし」
霊夢の言に合わせて自分の腕時計を見る。今が十時半。確かにまだ夜には時間がある。
だが……。
「昼飯はどうするんだ?」
「出来たら起こして。外の料理を作ってくれるとありがたいんだけど」
「了解。材料があればだけど」
それでいいわ、なんて欠伸交じりに言いながら霊夢は去っていく。掃除が終わったらあとは寝てるだけとか、どれだけやる気がないんだろう。赤の他人である俺だが、なんとなく博麗神社の行く末が不安になってしまう。
とりあえず霊夢の背を見送った俺は、藍さんに向きなおる。一応ここでお世話になっている身として、藍さんを見送る仕事があるからだ。
「それじゃ藍さん、玄関まで見送ります」
「ああ、いや、ちょっと待ってくれないか」
「?」
急に待ったをかける藍さんに、疑問符を浮かべる。
さっき帰るようなことを言っていなかっただろうか。そんな疑問を視線に滲ませると、藍さんは若干言いづらそうに目をそらした。
「いや、その……よければ料理するのを見させてもらえないだろうか。外の料理というのも、その、気になってな……」
「ああ……」
そういえば、藍さんって八雲家の家事全般担当しているんだっけ。紫は自分でやったりはしないだろうし、橙に任せるのも難しそうだ。なにより、藍さんが橙にはやらせなさそうだ。過保護っぽいからなぁ、藍さん。
それより料理か……。大したものは作れないが、まあ日本由来のものじゃない料理なら幻想郷では珍しいものになるだろう。いくつか品目を頭の中で挙げながら、勝手に居座らせてもいいだろうかとも考える。
……まあ、霊夢ならそこまで気にしないだろう。そう判断すると、俺は藍さんにOKの返事を返した。藍さんはそれにとても喜んで、足りない材料があるなら人里から買ってくるとも申し出てくれる。
ありがたくその申し出を受け入れて、必要な食材を頼む俺。さすがに俺では人里までは行けないので(命の危険的な意味で)、この申し出は本当にありがたい。
そうして買ってきてもらった食材をもとに、調理を開始。藍さんが見学し、時には手伝ってもらいながら昼食を仕上げていく。
途中からは萃香も見にきて、匂いに釣られてか霊夢も自分で起きてきた。
卓袱台の前に座って、どんどんとテーブルを鳴らす欠食児童たち(霊夢と萃香)の急かす声を背後に、俺と藍さんの調理は終わり、料理が完成。ちなみに品目はオムライスとエセシチューだ。さすがに本物のシチューは時間的にも食材的にも無理があった。生クリームないし。オムライスはトマトを潰してあとは調味料でなんとかケチャップを代用。意外と上手く出来たと思う。
成果は上々。特に萃香はオムライスを喜んで食っていた。お子様の舌には合ったらしい。怖いから口にはしないけど。
四人でそれらを美味しく頂いたあと、藍さんはレシピが増えたことを喜びながら帰って行った。霊夢と萃香はもう一度寝たようだ。
……さて、俺はもう一度境内の掃除でもしますかね。夜までひとまずすることがない俺は、箒を片手に昼の日差しが眩しい境内に足を向けるのだった。
続
■■
あとがき
なぜか藍が登場。そしていまだに一日目の午前が終わっただけという。進行が遅いっすねぇ(ぉ
さて、次回は午後かな。うまくいけば次の次には夜、かな。夜になればいよいよ紫の能力講座。恭司の能力も詳しくはその時に明らかに。
それでは、第三話読んでくださってありがとうございました~^^
はい、私は亜人とかそういうのが大好きです。けーねとか小悪魔とか。
というわけなので藍さんにもっと出番を。
けーねにも出番を。小悪魔にも出番を。
次回の更新を心待ちにしております。
じらす気はないんですが、結果的にじらすような結果に^^;
恭司の能力も別にそこまで凝ったわけではないので、なんだか期待感持たせて自分の首を絞めている気がします。
霊夢だって普段はあんまり備蓄がないに違いない!(貧乏巫女的な意味で)
欠食児童たちに数えられるのも仕方がないだろう、なんて思ってしまった私でしたw
>センさん
獣耳は俺の中のジャスティス。
長耳もおkな私が来ましたよw
藍様いいね。けーねもいいね。こぁもいいね(ぉ
いずれ全員出したいところですね。
そこまで連載もってくれよ…! まあ、私が頑張ることですけどねw
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