3-0 プロローグ
「やっべ……」
俺、クロノ・ハラオウン14歳。職業は時空管理局執務官。ぶっちゃけエリート中のエリート。ちょっと背が低いのが悩みの好少年さ。
さて、そんな俺はいま自室のベッドの上でorzポーズをとって縦線を背負っていた。寝る直前、ふと気付いたある事実に打ちのめされて自己嫌悪に陥ったのだ。それこそ近年まれにみる落ち込みである。俺としても、なんでこんな大事なことを忘れていたのか、何年か前の自分に小一時間問い詰めたいぐらいだ。
そう、それはとてもとても重要なこと。
「原作……クロノが介入できんの後半じゃん……」
なんで忘れてたんだろう……orz
俺もついに管理局執務官となり、年も今年で14歳。ついに原作の時間に迫ってきたな、とこれまでの長い道のりを振り返っていたところで発覚した大問題だった。
「すっかり忘れてたぜホント……。ようやく原作が始まることにwktkしてる場合じゃねぇじゃん……」
文句を言いつつ、なんとか初期から関わる方法はないかと思案する。
頭の中で様々な案をピックアップして検証しつつ考えるが……結果は、どう考えても不可能という結論だった。
俺がもし超絶最強主人公だったりしたら何かしらのチート能力か、レアスキル“ご都合主義”によって解決できたのかもしれないが、残念ながら俺は単なる前世持ちというだけの男。そんなチート技術はなかった。
あるいは俺がただのガキだったら取れる手もあったのかもしれないが、今の俺は管理局の執務官だ。執務官はある程度の個人行動が許されている一方、隊を率いての任務も受け持つ実働人員の要であると同時に責任者でもある。つまり、結構立場は高いのだ。
そんな人物が個人で勝手にフラフラするわけにはいかない。「ちょっとそこの地球まで行ってくる」とか言って許可されるはずもない。当然、何も言わずに行けばそれだけで厳罰。あるいは懲戒免職。いや、地球が管理外世界であることを考えれば逮捕か。いずれにせよ、俺の立場でそれは出来ない。
ただのガキだったら、とはつまり、何の立場もない存在だったらということだ。というのも、それなら管理外世界に渡る裏道があるからだ。職業柄、そういう犯罪者も相手してきた身だ。立場も何もないなら、それを利用することもできただろう。
権力ヒャッホゥな観点からグレアムおじさんに頼んでもいいが……闇の書が現在地球にある以上、行かせてくれるとは思えん。結局、手づまりである。
あとはうっかり任務中に謎のロストロギアが起動してぶっ飛ばされ、その飛ばされた先が地球だった、みたいな蝶☆展開しかないわけだが……。いや、それはないだろう常識的に考えて。
というわけで。気づかぬうちに俺は原作どおりに後半からの介入が決定してしまっていたのだった。
「あああああ……。なにやってんだ俺。せっかくの機会だったのに……っ」
だんだん、とベッドを叩く。律儀に拳をばいんばいんとバウンドさせるスプリングが恨めしい。ちくしょう、このやるせなさを受け止めてもくれないのか、ベッド。
うう、仕方ない。名残惜しいが、後半から出ていくことにしよう。ああ、それにしても悔やまれる……。最初の頃の話、結構好きだったのに。特にフェイトが出てきたあたりから。
俺はしくしくと悔し涙を流しながら、唐突に自分の過ちに気付いた夜を過ごしたのだった。
■
新暦65年4月――
遺跡発掘を生業とする高名な考古学研究一族『スクライア一族』より、時空管理局に対して報告・依頼の連絡が入る。
危険なロストロギア『ジュエルシード』を積んだ航行船が行方不明。調査の結果、何者かに撃墜されたものと判断。散らばったジュエルシードの行方と、一族からの行方不明者を捜索してほしい。
管理局はこれを受諾。ジュエルシード捜索事件と仮称し事件に当たる。任命された総責任者は本局提督であり次元間航行型L級艦船アースラの艦長でもあるリンディ・ハラオウン。補佐および実働・現場責任者として同艦所属執務官クロノ・ハラオウンを任命。
執務官補佐エイミィ・リミエッタを含むアースラスタッフを伴い、艦船アースラが本局より出動。ジュエルシードの反応が確認される地点付近へ順調に航行する。
調査の結果、ジュエルシードの反応は第97管理外世界からのものと断定。同時期(地球時間4月26日)に小規模の次元震にも迫るエネルギーの解放による衝撃波を確認。
艦長、執務官、執務官補佐らの話し合いによって、現地への介入処置を検討。
翌日4月27日。状況を見つつ、クロノ・ハラオウン執務官が現地に赴くことが決定された。
続
==========
あとがき
ついに第三部《無印編》開始です!
これからどう物語が展開していくのか……。
あまり期待しないで見ていてくれると助かります(ぉ
PS
150万達成の日に間に合ってよかった……。
novelにまとめた方には各話にサブタイトルがついています。たいした違いじゃありませんが、気になったら見てみると面白いかもですー。
しかも介入時期がなのはとフェイトが対決してるときだし。
その時にうっかり手が滑ってなのはにパイタッチとかあったらもう最悪?
まあデバイス二つあるからそれで受け止めればいいんだろうけど。
にしてもフェイトが妹か~いいな~。
もういい年なんだから仕事とプライベートを分けるぐらいはできてるといいんですけどねぇ。
初登場シーンぐらいはビシッと決めてほしいです。あとフェイトにやたら「お兄ちゃん」とか呼ばせたりしないか心配…。
どうでもいいことですけどここのクロノのお相手はエイミィかはやてが似合っているかなと思います。
個人的には「ストップだ!」とか行って飛び込んで、キャッチをミスったりするんじゃないかと邪推してみたりwww
とりあえず、ベッドは包み込んでくれるので我慢だ、クロノw
確かにぃw(DAIGO風に
しかしながら、クロノになっちゃったので仕方がありません。
クロノには原作どおり後半から頑張ってもらいます^^
>フツノさん
ク「ストップだ!」
ぽすっ
な「あ……」
ク「……あ゛」
な「………………」
ク「………………」
な「ちょっと、頭冷やそうか……」
ク「\(^o^)/」
パイタッチ書いてみましたw
ちなみに今のクロノはイデアしかデバイスないですよ(S2UとG-1ともに破損)。まあ、ガントレットは両手に出ますけど^^
>リックさん
義理の妹ができるクロノに嫉妬w
確かにこれぐらい我慢しろって感じですよねぇw
>打刀さん
一応、クロノの精神は肉体に引っ張られているので、自分の年齢は自覚しているんですけど、実際の感覚は年齢なみですね。
まあ、常識や社会態度なんかはちゃんとしてますけどねw
クロノのお相手については……私の書く作品の傾向の中に隠されていると言っておきましょう……。
>犬吉さん
ク「ストッウワナニスルヤメ(ry」
な&フ「あ……」
ク「(返事がない。ただのしかばねのようだ)」
クロノが二人の攻撃を受け止め損ねたようですw
そしてベッドに逆戻り、とw
>俊さん
もう原作が始まるということにしか意識がいっていなかったクロノですw
次回から介入していくはずですので、どうか気長にお待ちいただけると嬉しいです^^;
>巴さん
ここのクロノは堅いというのはないですからね~。
次話以降をどうかお楽しみに!
>鎖さん
どこか抜けているクロノですw
どんな影響が出るかというのは、私にもわかりません(なんとまだプロットが曖昧)(ぉ
どうか次話もお楽しみに~^^
油断してましたよw
この私を出し抜くとはッ!
うん、ハイテンションでごめんなさい。
いいですねw
憑依ならではの悩みですねw
まぁもう少し早く気付いていたら、
スクライア一族と交流作っておいて、
発掘の見学とか言う名目で付いていけたのでしょうがw
まぁ、頑張れ主人公w
もちろん作者様も応援してますよ?(汗)
プロローグだけですけどねw
ついに原作に入りますよ~!
クロノも当面の生活や自分自身の強化とか色々なことに精いっぱいで、そこまで考えつかなかったんでしょうねw
実際、執務官でなかったら他にも手はあるんですよね。クルスレイドさんの案も詰めればいけそうですしね^^
頑張れクロノ!w
この記事にトラックバックする: |