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日々のことを徒然と。あと、絵や二次小説も掲載しています。主にリリカルなのは中心です。
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まつろわぬ日々(リリカルなのは・クロノ憑依)

幕間2




「それじゃ、行ってきます」

「ええ、行ってらっしゃい」

 ひらひらと手を振る母さんに手を振り返し、俺はドアを開いて外に出た。

 外は陽気に満ちて、今はうららかな昼下がり。俺は気持ちのいい空気を肺いっぱいに吸い込み、市街地に向けて歩きだした。

















 ――件の事件からはや一年。

 現在十二歳となった俺は、勉強とあわせてめきめきと実力を伸ばしています。

 ……というか、結構強制的? シャッハさんやゼストさんが何かと俺に手ほどきをしてくれるんだけど……、正直強すぎです。しかも手加減は最低限とか、俺を殺す気か?

 やはりゼストさんもバトルマニアだったのか、と俺は納得しつつも涙を流した。俺自身戦うのが嫌いなわけではないが、圧倒的実力差のある相手とやりあうのは出来るだけ勘弁してもらいたい。

 チンクとの戦いで実感したんだ。身の丈に合わないことはするもんじゃないなぁ、と。

 まあ、結果的には強くなれるんだし鍛えてもらってるんだから、あんまり文句も言えないけど……心臓に悪い。確実に。

 さらに言えば、あの二人が結構時間を作って模擬戦に付き合ってくれるから、リーゼの二人との訓練の時間がほとんどなくなってしまったのも問題だ。

 この間久しぶりに会った時なんか、ロッテに問答無用でボコられた。この程度で情けない……、なんて言っていたが、お前、俺の今のランクAA+だぞ!? 2ランク以上開きがある相手に本気になんなよ!

 いくら俺が「もうやめて! 俺のライフはもうゼロよ!」と叫ぼうと、ロッテは聞いちゃくれない。「クロすけがッ! 泣くまでッ! 殴るのをやめないッ!」――俺、既に涙目だったんですけど。

 アリアはアリアで、止めてくれないし。俺がアリアの課題をクリアしたって報告した時はあんなに嬉しそうに笑って喜んでくれたくせに。しょうがないわね、ってな感じで暖かく見守るアリアは、やっぱりそれ以降ほとんど会いに来なかったことを怒っているのかもしれない。

 実はちょっと拗ね気味だった猫娘二人に少しだけ萌えたのは秘密である。すぐあとにそんな思いはなくなったが。主にロッテの暴力によって。


 とまあ、そんな感じに過ごしたのが退院後の一年だった。


 そう、もう一年だ。俺も既に士官学校を卒業し、今は来月に迫った執務官試験に向けてひたむきに頑張っているところである。

 ああ、そうだ。ついでに俺の周囲の人間の近況も整理しておこう。


 ゼストさんやシャッハさんはまあいいだろう。二人とも時間があった時は俺に付き合ってくれるようで、結構お世話になっている。リーゼたちは相変わらずだな、うん。

 次にロッサ。あいつは卒業後にベルカ自治区に戻る……と思ったら、なんとまだこっちにいる。

 どうやら監査官の試験もこのまま受けていくことにしたらしい。それについてはまた上の方で色々とあったらしいが、渋る管理局側に聖王教会のほうから請願されて受け入れたようだ。

 そこに政治的取引があったのは間違いない。ロッサはまた姉さんに苦労をかける、と言っていたが、そのぶん確実に合格して補佐として動けるようになってやる、と決意を新たにしたようだった。その関係で、シャッハさんもまだいるのだ。時折はベルカのほうに戻っているみたいだが。

 そしてエイミィ。エイミィは既に艦船通信士に合格している。とはいえ、まだ新人一人に任せられることはなく、研修を積んでいるようだ。その関係で、今はミッドチルダを離れている。

 先に色々経験しておくから、安心してねー! と言っていた。本当に俺の補佐につくつもりらしい。実際、俺が受かったらすぐさま申請を出すつもりのようだ。まあ、エイミィも新人だから、届け出を出せば優先的に組まされるだろうとは思う。

 その俺もすぐに執務官試験に受かるだろうと信じ切っている物言いが、実はすごく嬉しかったのは秘密である。

 何かと世話を焼きたがる姉貴分を思い、俺は肩をすくめた。

 それとランドか。あの一件以来、わりと俺たちのグループにも顔を出すようになったあいつは、今は管理局の技術部のほうに入った。実は十四にして実働部隊以外に入局というのは結構凄いことらしいのだが、ランドなのでそこまで凄くは思えなかった。

 けど、俺たちがお祝いにパーティーを開いてやったら本当に楽しそうにして喜んでくれていたので、本人はそのことに満足し、ちょっとした自負もついたようだった。

 それからはデバイスのことなんかを中心に相談に乗ってもらったりしている。年上とは感じさせない親しみやすさはあいつのいいところだと思う。きっと本局の方でも上手くやっていくことだろう。

 あとはこれといって変化なし。母さんはいつも通り、家にいたり、提督として飛びまわったり。今は家にいるから、久しぶりのお休みである。

 グレアムおじさんも今は忙しいらしく、最近会っていない。時期的に、はやての支援はもうしているだろうから、リーゼと会う時も色々と気を使う。闇の書の真実とかをばらしてもいいんだが、おじさんは良くも悪くも誠実な人だ。これと決めたことはそうそう変えないだろう。

 俺の話は今はまだ何の根拠もない話であり、しかも俺がそれを知っている理由がない。最悪、危険分子として判断されかねない。そうなるとあとで動きづらくなるし、もしリーゼに本気で来られたら敵うわけがない。だから、今は手が出せなかった。

 士官学校でのロウラン教官なども、卒業後は会っていない。けど、たまに連絡を取って色々とアドバイスをもらったりはしている。さすがは元首都防衛隊。経験に裏打ちされたお話はためになるものが多かった。

 教官はゼストさんのことは知らないようだったが、ゼストさんのほうは知っているらしく、俺の教官だと話すと驚き、感心していた。どうやら教官はそれなりに人望もある有名人だったようだ。

 最後に、危惧していたスカリエッティ側の動きだが……今のところ何もない。チンクはどうやら約束を守ってくれたようで、俺はホッとした。

 一年たっても実質被害が何もないところを見ると、どうやら俺のことは一応はスルーの方向で決まったようだ。いやぁ、よかった。正直もう戦闘機人と戦いたいとは思わん。

 最初のころはいきなり攻撃されるんじゃないかとビクビクしていたわけなのだが、どうやら安心していいようだと判断したのは結構前だったりする。ある事実を知って以降、たぶん大丈夫だと安心するようになったのだ。

 その事実によって、俺はこうして街まで繰り出せる。ああ、アイツでよかった。

「せっかく一日休みを作ったんだし、たまには買い物ぐらいしたいよなぁ。他にもこう……ゲーセンとか」

 やはり効率のいい勉強のためには、勉強の合間に休憩は入れるべきだしな。欲しい本とかもあったし、長らくゲームセンターには顔を出していないし。こうして出掛けるのはいい気分転換だ。

 俺はだいぶ風化した記憶の中にある東京なんかよりもよっぽど発展しているミッドチルダの中を歩きながら、肩をほぐすためにひとつ伸びをした。

 高いビルが立ち並び、整備された道路はまるで迷路のよう。東京に限らず元の世界の都市部にはわりと当てはまる表現だったと思うが……こっちは規模が違う。ビル群の高さや造形、街区の美しさ、行き交う車の洗練されたフォルム、それらの根底にある科学技術。どれもが比べ物にならない。

 そんな元の世界にしてみればオーバーテクノロジーも甚だしい街なだけに、最初は俺も相当驚いたもんである。おのぼりさんよろしくキョロキョロと目線を漂わせていて気がつけば迷子になっていたのはいい思い出だ。その時、俺は子供の姿で本当に良かったと心から思ったものだ。

 昔は昔で、今は俺にとってもすっかり慣れ親しんだ街だ。わいわいと喧騒が絶えない賑やかな街の中を進み、俺は市街の中心までやってくる。

 さすがは街の中心というべきか。並び立ったビル群だけでなく、人もあふれかえっていて、どこもかしこも人だらけだ。

 まあ、それよりとりあえず。本や服なんかを見るのは後でいいだろ。どうせそんなものはすぐに終わる。俺は別にファッションにこだわるタイプじゃないし。

 というわけで、俺が今からすることはたった一つ。

「さーて……――遊ぶか!」

 にやり。

 そう、勉強ばかりで溜まった鬱憤を晴らすしかないだろう。俺は久々の開放感にひたりつつ、なじみのゲーセンに向かって意気揚揚と突っ込んでいく。

 さあ、久しぶりにあの格闘対戦ゲームで熱くなるとしよう。ふふふ……二年前に極めに極めたこの腕……錆びていないかどうか確かめてやるぜ!

 俺はこらえ切れない笑いを噛み殺しながら、ゲームセンターの扉をくぐった……。













 

~以下、ダイジェスト~


「ふはははは! 弱い、弱すぎるぞ貴様ぁ!」

「げぇっ……! こいつ、まさか二年前にこのゲーセンに君臨していた主……!」

「くらえ、俺の必殺技……! 上上下下左右左右BA!!」

「な、なにっ! この僕のインセクターHA☆GAが手も足も……!」

「この俺のォオオAIBOはァアア世界一ィイイイ!!」

「ぎゃあああああああ!!」

「俺のターン! 俺のターン!」

「あああああああああああ!!」

「俺のターン! 俺のターン!」

「は、ハメ技ばかり……ッ! クソッ、汚いぞぉ!」

「聞こえんなぁ! 俺のターン! 俺のターン!」

「ああ、ああ……僕のライフが、ライフがぁ……」

「俺のターン! 俺のターン!」

「もうやめて! HA☆GAのライフはもうゼロよ!」

「HA☆NA☆SE!」




………………

…………

……




 ――……ふぅ。

 俺は額に滲む汗を腕で拭き取りながら、ゲーセンから出る。

 結局一時間以上も遊んでしまった。それにしてもやはり俺の腕はまだなまっちゃいないようだった。安心したぜ。

 相手になってくれたあの虫男を専門に使う奴にも感謝しなければ。途中、感極まったらしいギャラリーの女に止められるというハプニングもあったが、おおむね満足できる結果だった。

 さて、次はどうしようか。

 正直ゲーセンで結構ストレスは発散できたから、適当に買い物をするか、どっか別のところに行くか……。

 ぐぅ。

 と考えていたところで、わずかに腹が鳴った。小さい音で良かった。

「その前に腹ごしらえか」

 頭の中を占めていた次の行き先を、一瞬で変更する。

 俺は少し凹み気味な腹を服の上から一撫でして、その欲求の赴くままに食事処を探して歩き始める。

 んん、どこに行くべきか……。

 この街は俺にとって地元に当たるので、結構細かいところまで俺は熟知している。なぜかミッドチルダで繁盛しているラーメン屋の場所も知っているし、女の子に大人気なスイーツの店も知っている。

 たとえば。俺が今いる広場である。まるでヨーロッパのサン・マルコ広場……ほどではないが、かなりの広さと美しさを持つフレイヤ広場という場所なのだが、ここにはギガうまのクレープ屋が週に三回ぐらい出没する。

 不定期だから狙って買うのは難しいが、若い女の子には大人気の品である。ちなみにちょうど今日は出ているようで、視線の先に店も兼ねたカラフルな車が止まっている。まあ、今の俺はスイーツよりもドカッと食いたい気分だから用はないけどね。

 視線の先で、オレンジ色の髪をツインテールにした幼女にクレープを買ってあげているお兄さんという兄妹らしい幼い二人を見ながら、俺は踵を返して広場に近いカフェのあたりまで歩を進めた。

「うーん、平和だ……」

 相変わらず腹は空腹を訴えているが、いやはや目下の危機がそれだけとか、ずいぶん平和じゃないですか。

 ここのところ、模擬戦、勉強、模擬戦、勉強、とその繰り返しだったから、非常に和む。やはり心の休息は必要ですよ。うん。

 近くのカフェから漂ってくるコーヒーのいい香りに鼻をひくつかせながら、俺はゆっくりと街を歩いていく。

 と――、


≪マスター≫

「ん、どうしたイデア」


 胸元の四角いペンダントが明滅しながら声を発する。青い宝石がチカチカと光ると、なんか違うものを想像しそうになる。不思議の海的なあれとか。

 形状がそっくりなどこぞのクリスタルを思い浮かべながら、俺は胸元で待機状態になっている俺のデバイス――イデアフィネスに応えた。

≪2時方向約20メートル先に例の人物が≫

「あー……」

 イデアの指摘に俺は気の抜けるような声を漏らす。……けどなぁ、言葉が出ないって。俺にどんな対応をしろと。

 現在地からさらにゆっくりと歩き、少しずつその場所に近づいていく。そろりそろりと抜き足差し足忍び足を体現しつつ移動する俺。イデアも空気を読んだのか無言である。賢い奴だ。

 そうしてごくごく自然を装いつつ近づき、距離的に五メートルほどまで迫った。今俺の右手三メートルの位置にそいつはいる。

 俺は極力自分を落ち着かせながら、ちらりと横目で右方を一瞥した。

「…………マジでいるし」

 <当然です>

 私の言うことを疑うんですか、と言わんばかりのイデアである。しかも空気を読んでちゃんと念話である。ホントに賢いなこいつ。

 立ち止まって小さくため息。いや、ホントに俺にどうしろと……?

 右手に位置するカフェのテラスで、優雅に茶なんかしばいていらっしゃる銀髪の女の子――私服姿のチンクを確認して、俺は肩を落とした。

 そう、俺が一年近く前に気づいたある事実。それは、チンクが俺のことを監視しているということだったのだ。









 そもそもの始まりはイデアを手に入れて、暫くしてからのことだった。

 ある日、今日と同じように街に繰り出した時である。その時もイデアは唐突に俺に声をかけてきたのだ。

≪警告。異質な魔力反応を確認。7時方向約30メートル≫

 その時はあの演習事件から二ヶ月後。俺はいまだに警戒心バリバリのころだった。

 イデアの警告に瞬時に身を緊張させた俺は、すぐさま後方を振り返って相手を確認したのだが……その時は見つけられなかった。街中で人が多かったせいもあるのだろう。

 それ以来、わりとそういった現象は起こっていた。最初の異質な魔力反応自体は最初以降しなくなっていたが、既にイデアはその時の魔力反応のパターンを登録していたので、近づけばイデアが一言かけてくるようになっていた。

 そうして過ごすこと数か月。どうやらチンクが俺を監視しているらしい、というのが俺の結論だった。

 それに思い至った時、俺はチンクって隠密行動苦手だっけ? と少々疑問に思った。ひょっとすると、俺と戦った時もそれほどの強さではなかったようだし(俺にとっては相当強かった。原作と比べてだ)、チンクはまだまだ修行中なんじゃないだろうか。先日の時もそう思いはしたが、どうやらビンゴだったのかもしれない。

 まあ、そんなミスがあったのは最初のころだけで、今では完璧な隠密だとは思う。とはいえ、最初にイデアに発見されてから隠密スキルが極められるまでの間に、イデアはずっと魔力反応・行動パターンなどなどを保存。さらに計算によって現在の反応などを概算してトレースし続けているらしい。そのおかげで、現在の隠密技術はハイレベルなのに、今でもすっかりイデアにはバレバレなチンクである。やっぱり最初のミスって取り戻すのが大変なんだね。

 それゆえ時々今日のように姿を見れる日もあるのだが、そのたびに俺は対応に困っている。

 今のところは知らんぷりを続けているが……やっぱり接触した方がいいんだろうか。じろじろ見られてるより、面と向かって話している方がいいし。別に監視で得られる程度の情報ならこっちから口頭で提供もしてやるし。

 変に神経擦り減らすよりそっちの方がいい気もする。チンクなら騙し打ちとかしなさそうだし。たぶん。

 せっかくの休日気分の中で、陰鬱になるのも嫌だ。これからもずっとそうだと言うなら、いい加減ここらで手を打った方がいいかもしれない。今までは忙しいこともあって放置だったが、執務官試験もひと段落しそうなので、いい頃合いだろう。


 と、いうわけで……。


「よぉチンク! 久しぶりだな!」

「ぶっ!?」


 五メートルの距離を一足で飛び(もちろん魔法)、テラスの丸テーブルで上品に紅茶を飲んでいるチンクに挨拶してみた。格好が私服なので、一目ではチンクとはわからない。まあ、俺はイデアのおかげでそれ以外の方法によってチンクだと特定しているから無意味だけど。

 んで、話しかけたら噴いた。チンクが、茶を。

 さすがにいきなりすぎたか……。ごほごほとむせるチンクを見ながら、俺はむぅ、と眉根を寄せた。

「ぐっ、ごほっ……お、おまえ……」

「あーあー、テーブルびちょびちょじゃん。あ、おねーさん! 布巾ください。あとサンドイッチとコーヒーひとつ!」

「かしこまりましたー」

「――なんでそんなに和めるんだお前はッ!」

 ドンッ! とひたすら咽ていたチンクが勢いよく拳をテーブルに叩きつける。

それによってテーブルがともすれば壊れるんじゃないかというほどの衝撃を受ける。音を聞いて店の人がこっちを見る。睨まれる。俺は店員さんに向かって頭を下げた。ホントすみません。店員さん笑って了解。次はない。俺はひとつ頷いた。

 なぜ俺がこんなに肝を冷やさなければならない。理不尽だ。

「くそ……それもこれもお前が中途半端なことしてるからだ。どうしてくれる。――あ、どうも」

 布巾を持ってきてくれたお姉さんに愛想笑いを返しつつ、布巾でテーブルを拭く。なぜか店員さんは手伝ってくれない。そんな客商売でいいのか、この店。

「……中途半端とは何のことだ。そもそもなぜ――」

「お前がこっち見てたことはずっとわかってたんだよ。んで、今日はもういい加減気になって仕方がないから直談判しに来たんだ」

「なッ――! ……っいや……それで?」

 一瞬腰を浮かしたチンクだが、とりあえず俺の言葉の最後を聞いてか、いきり立っていた気持ちを落ち着かせる。勢いをそがれ、すとんと椅子に腰を落とす。俺も対面の椅子に座り、さらに言葉を続ける。

「やるなら最初から徹底してくれ。最初の方で気づいたおかげで、以降はずっとトレースできたんだよ。最初から気配が分かってるのと分かってないのは雲泥の差だからな。今ではもう隠行は完璧だと思うけど。ま、それもそれを最初からやってればだけどな」

「く……お前は私をバカにしているのか?」

「いや、全然。ただ……意味ねぇなぁと思って」

「ぐ、ぐぐ……!」

 下を向いて何かをこらえるように歯ぎしりの音を漏らし、身体を震わせるチンクは非常に悔しそうだ。そんなチンクを見て少しだけ心が高鳴る俺。実は俺ってばSっ気があったのかもしれない。

 ……こんなところで自分の性癖発見したって痛いだけだが。

 と、そんな時にちょうど頼んでおいたサンドイッチとコーヒーがやってくる。ありがたくウェイトレスさんから受取り、三つの内のひとつを食す。具にトマトとカリカリベーコン、それにスクランブルエッグも組み合わされたそれはとても美味しかった。

「しかし、どうして監視なんか。言っちゃあ何だが、俺はそこまで突き抜けた人間じゃあないぞ?」

 あの時使ってたモノは宇宙さえ突き抜けて風穴を開けたモノだったけど。俺自身は間違いなく普通だ。

 ずず、とコーヒーのカップを傾けながら言うと、チンクはまだ少々こわばった顔つきのまま、はぁ、とため息をついた。

「私にもわからない。私は言われたとおりやっているだけだからな」

「ふーん……」

 スカさんの気を引くことでも何かあったのか? やばくない? それって。

 本気で来られたら俺なんて売られていく子牛のように連れていかれるしかない。だというのに、監視だけということは手を出せないのかそこまでの存在じゃないのか……。まあ、母さんは一応管理局でも人望厚い提督だし、そこらへんの事情なのかも。

 俺は二つ目のサンドイッチに手を伸ばしながら思案する。手に取ったそれを口に含んだところで、再びチンクからため息が漏れた。

「ため息ばっかりついてどうしたんだ。幸せが逃げるぞ」

「なんだそれは……。はぁ、監視程度もまともに出来ないとは情けなくもなる……」

 言って、なんだか暗くなるチンクだった。

 意外と気にしいだなこいつ。一応、俺の側とは敵対することになる存在なんだが、こうしてテーブルを囲んでいると、そんなふうには全く思えないから不思議だ。

 俺は口の中のサンドイッチをコーヒーで流し込んで口の中を空にすると、トンとカップを置いた。

「いや、そんな悪いことばっかでもないと思うぞ?」

「なぜだ?」

「だって、俺から直接話聞けるじゃん」

「……は?」

 予想外の言葉だったのか、チンクは目を点にして間抜けな声を漏らす。

「だから、普通に聞けばいいじゃん俺に。別にそんな聞かれて困るようなこともないし。どうせ家の中とかは見てないんだろ? 外にいる間のこととか訓練とか俺自身の能力とかのことは別に知られても何ともないぞ。さすがに家の中での私生活は勘弁してほしいけど」

「いや、さすがにそこまでは言わないが……」

 チンクは俺が言いだしたことがやはり相当に意外だったらしい。言っている内容を理解した途端、今度はこちらの思惑を探るような視線を向けてくる。表情はいまだに困惑を色濃く残しているが、油断ならない様子でこちらを警戒している。

 その様子に今度は俺がため息をつく。

「そんなに疑うなって。別に何も他意はない。ただその方がいいだろうと思ったから言っただけだって。俺はなんかこっちをジロジロ見てくる気配に気を張らなくていいし、チンクもスムーズに情報を得られる。ほら、いいことばっかりじゃないか」

 残った最後のサンドイッチを頬張りながら、俺はごく単純なその理由を話して聞かせる。

 本当に俺には他の思惑はない。チンク一人をどうにかしたところで大局に影響はないだろうし、そもそもチンクをどうにかするなんて不確定要素をこんな早い時期からばら撒くのは非常に怖いからしたくない。ただでさえ俺がいるというのに。

 そしてそもそも、チンクに対して何かするつもりは全くない。むしろ協力してやってもいいと思っている。なにしろ模擬戦や外での生活なんかは確実に誰かしらの目には触れているのだから、そんなに気にしても意味がない。俺自身の能力そのものは管理局のデータでも知られてるし、戦闘スタイルはチンク自身が経験済みだ。気になるとしたら家の中でのプライベートだけだが……家の中までは監視していないのなら、正直何も困らない。

 だったら、俺の口から詳細を聞ける方がいいだろう。第三者視点からの考察も必要だと言うなら、堂々と見に行くとでも言ってくれればいい。その程度の便宜ぐらい図ってやれる。立場的に人の目に触れるのはダメなのかもしれないなら、その時はこっそりでいい。前もって居るとわかっているのといないのとでは心持ちが全然違う。

 こそこそと内密に蔭から見られているのは気を使うし、自分が何かやらかしてしまったみたいで後ろめたい気分になる。いや、別に何もしていないけどさ。

 つらつらと不確定要素云々以外のところを伝えると、チンクはある程度は納得したようだが、やはりまだ怪訝に思うのか、疑わしげにこちらを見ていた。

 嘘はないんだけどなぁ。

「……信じがたいな。私になぜそうまで気を使う?」

「別に普通だろ? そんな気にするようなことか?」

 俺が逆に問えば、チンクは首肯した。

「当たり前だ。一年前、殺しあった相手だぞ? しかも私はお前から見れば相当に怪しい人物だろう。なぜ気を許せる」

 別に君の正体もスカさんのことも知ってるし。

 と言えるはずもなく、俺は少し黙った。

 殺しあった相手というところも、チンクの事情を知りつつ、しかもそこまで冷徹な奴ではないとわかっていたからこそ、もうあまり気にしていない。俺だってチンクに重傷を負わせているんだから、お互い様と言えばお互い様だ。

 さらにいえば、自分の中で葛藤を抱えているような人間臭いやつは嫌いじゃない。特に性格が悪いわけでもなく、殺人がしたいわけでもない。悪事を為すことを喜びにするような奴じゃない。なら、特に嫌う要素は俺にはなかった。俺もランドも全員無事だったし。

「……一年前のことは互いにしょうがなかったし、お前が怪しいというのは別にどうでもいい。そこら辺の事情は厄介そうだが、俺は今のところ被害被ってないし。監視はされてるみたいだけど」

 ぐいっと残っていたコーヒーを飲み干し、空になったカップはソーサーに置く。

「これから何かされるにしても、何も伝手がないよりはあったほうがいい。チンクはその点、一番俺に近い所にいるわけだし、接触もしやすい。そう言った点では俺にも益があるぞ」

 俺の物言いにチンクは眉を寄せる。気に入らない答えだっただろうか。

 とはいえ、これは俺の本心ではない。

「――とまぁ、そういう建前は置いておいて。……なんか、あんまり敵って感じがしないんだよなぁお前。あのとき色々と話したせいか、どうも悪意が持てないし。んで、むしろ俺の中ではチンクのことは知り合いとか友達とかって表現の方が合ってるんだよ。だから多少の協力ぐらいはするってこと」

 以上、と肩をすくめて言って見せれば、チンクはぽかーんとハトが豆鉄砲食らったような顔をしてこっちを見ていた。その態度はさすがに失礼じゃね?

 別にあの時の別れ際ではお互いに好意的だったし、そう不思議なことでもないと思うんだけども。なにがそんなに衝撃的だったんだろう。チンク的には一度殺しあったような相手がこんな態度をとってくることはそんなに常識外のことだったのだろうか。……いや、普通はそうか?

 俺が内心でそんな自問自答をしていると、チンクは我を取り戻して戸惑いを隠さずに、ぐいっとこちらに詰め寄ってきた。テーブルを挟んでいるから身体を乗り出す形だ。顔がちけえって。

「な、何を言ってるんだお前は! 友達……友人だと? そんなものが……」

「だーから別に不思議でもないだろう? あの時だって最後は好意的に別れたじゃないか。あの時の戦闘は納得してるし、人間的にもそんなに嫌いじゃないし。それなら友達になっても問題ないだろ」

 当たり前のことだと言わんばかりに言ってやれば、チンクは言葉に詰まった。

 まあ、これは俺の本心だ。どうにもチンクのことはもう敵とは思えない。自分のありように悩む、というのは俺も経験した大きな悩みだった。それゆえにシンパシーを感じているのかもしれない。

 そうだとしても、チンク個人はわりと面白いし、人間的にも悪いやつじゃない。だったら、友達になりたいと思うことはおかしいことだろうか? いや、そんなはずはないだろう。

「――と、いうわけで。友達に自分のこと話すぐらい何でもない。疑わしくっても、こっちから話してやるって言ってるんだから、ありがたく受け取っておけばいいさ。嘘はつかん」

 あ、信用できないんだっけ? だったら嘘をつくもつかないも関係ないけど。

 自分の言葉の矛盾に気づいた俺が付け加えるようにそう言葉をつづけると、チンクは呆れたように一つ息をついて、席に腰をおろした。

 そうして自分を落ち着けるように大きく呼吸をすると、少々呆れ顔のまま口を開いた。

「……まぁ、せっかくの話だ。お前が言うとおり、ありがたく受け取っておく。――友人ができるというのは、初めてだな……」

「お、友人でいいんだ?」

 俺がチンクの言葉の中の単語を拾って問えば、チンクは少し気恥ずかしそうにして顔をそらした。

「まあ、な。……私としても、嫌なわけではない」

「そりゃよかった。んじゃ、そのうちまた話すか。俺、今日はまだ遊びたいし」

 久しぶりに勉強からも解放される日なのだ。もっと自由を満喫していたい。

 俺はウェイトレスさんが置いていったレシートを持って、立ち上がった。

「執務官になるんだったか?」

「……まあ、知っててもおかしくないか。そうだよ。今日はその勉強とかも何もないんだ。ゆっくり遊びたいわけさ」

 ついでにチンクが飲んでいた分のコーヒー代も払っておこう。俺は二枚のレシートを持って席を立つ。チンクも俺を追うように立ちあがった。

「待て。自分の分は自分で払う。それぐらい、世話になるまでもない」

「気にすんな。男の子の見栄だよこれは」

「何のことだ……」

 意味が分からないとばかりに首を傾げるチンクがこれ以上何かしてくる前に、俺はレジに行ってまとめて金を払ってしまう。

 そのまま店を出ると、チンクも慌てて追ってきた。

「ま、待て! 本当に払うとは……」

「だから気にすんなって。それより、これからどうするんだ? 俺はまだ色々見て回るけど」

 どうにも奢られるのが気になるらしいチンクだが、俺が話題を変えて質問すれば考えをまとめるために静かになった。

 しばらくの思案の後、チンクは口を開く。

「……いや、今日はこれで下がろう。おまえは楽しんでこい。休日なんだろう」

「いいのか? 監視するとか言うかと思ったけど」

「話してくれるんだろう? なら問題ない。そうでないのなら、信用足りえないというだけのことだ」

 言っていることは辛辣だが、チンクの表情はそれほど不安を感じてはいないように思える。それぐらいには信じてもらっているようで、どうにもこそばゆい。互いに、会ったことがある時間は一年前の少しの間。だというのに、俺もチンクもむしろ友好的だ。

 人の縁に時間は関係ないというが……奇縁というものはこういうもののことを言うのかもしれない。

「それじゃあまた今度だな。執務官になったら時間取れなくなると思うけど」

「その時は気にするな。私とてこんなことばかりしているわけではない」

 ふっ、と互いに笑って一歩離れる。

「じゃあまたなチンク」

「ああ、クロノ」

 軽く片手を上げて別れる。

 長い銀髪が翻るのを見届けてから、俺は背を向けて適当に歩きだした。

 最初に会った時の戦闘からは考えられなかったことだが、まさかチンクと友人関係まで築けるとは。意外に話が分かる奴でもあるようだし、結構嬉しい。

 ふらふらと歩きながら、とりあえず本屋に向かう。欲しい本があったことを思い出したのだ。

 新しく友人ができたことに少しだけ気分を良くしつつ、俺は賑やかな街中へと戻っていった。
















~別れた後~


「もう一回ゲーセン行こうかな……」

≪またゲームですか?≫

「今度は『遊戯大王』じゃなくて『マジラヴ』もいいなぁ」

≪………………≫

 その後、俺は満足いくまでゲームをプレイし、本や服を買って家に帰った。うん、いい休日だったよ。ホント。










==========
あとがき

 幕間2です。
 本当は外伝的なお話として書いてたんですが……内容が時系列的にちょうど間になっていたので、幕間2ということにしました。
 チンク、早速出しちゃいました。いや、もとは外伝だったんで、しょうがないと言えばそうなんですけど。
 あと新しいデバイスもちょっとだけ出演。まだ起動後の姿は秘密です☆
 色々出てきたネタについてはご容赦ください。全部わかったなら、ちょっとは面白いかもです。
 それでは、また次回。
 原作にいよいよ食い込んでいこうと思っています。
 まだプロット出来てないくせにねw(ぉ

 

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Comment
感想
>オレンジ色の髪をツインテールにした幼女
・・・もしかして、いずれツンデレガンナーに成る彼女ですか?何だか後々彼女の兄と交友関係を築きそうですね。

友人関係を結んだクロノとチンク。この関係が恋人関係まで行くのか楽しみですね。
2008/11/13(Thu)00:55:11 編集
お疲れ様です
いろいろ忙しいそうですが、更新ありがとうございます。 感想を、書くのは、初めてですが、一部のころから、楽しませてもらっています。さて、今回も、ネタが、満載ですね。JoJoや、ずっと俺のターンなどニヤニヤさせてもらいました。さて、そんな雪乃様なので、きっと、新デバイスもネタが満載なのでしょう。楽しみにしてます。
P.S私が、稚拙な文ながらも、紹介する小説に、反応してくれて、ありがとうございます。よろしければ、これからも、がんばって紹介しようと思います。
2008/11/13(Thu)00:55:37 編集
感想
続きがキター(≧▼≦)!!

この話でなんとクロノと友人関係をきずいてしまったチンク

そしてさり気なく出てきたランスター兄妹

このことが後々(主に第三期あたりで)どのような影響を与えるのかが楽しみです

っていうか第三期クロノの出番があまりないんですよね

その辺りをどうするか気になりますね
tomo 2008/11/13(Thu)07:57:31 編集
RES
>俊さん
いやぁ、その兄妹は一体何者なんでしょうね。ひょっとしたら一般人かもw
クロノとチンクの関係も、なんか他にないものになってきました。どうなっていくのかもお楽しみに~^^

>鎖さん
ネタばかりなのはもはや病気ですねw
これからも今回はJOJOと遊戯王とグレンラガンとマブラヴが出演していました^^
SSの紹介については最近就活やらで忙しいので、そんなに頑張ってくれなくてもいいですよ~^^;
むしろ読む時間がなくて、せっかく紹介してもらっても読めませんから。それは私としても心苦しいですからね。
初感想ありがとうございました~

>tomoさん
チンクとの関係は第三期でも影響しそうですよね。
第三期については色々と気を使っているくせに、友達になることには抵抗がないクロノ。友達になるのにそんな無粋なことは関係ねぇ、ということなんですねー^^
第三期まで続いてくれるだろうかコレ…。
とりあえずは無印を頑張らないと!
雪乃こう 2008/11/13(Thu)10:25:47 編集
無題
更新お待ちしておりました。意外とこういう訓練、戦闘シーン皆無な話って無いですね。
チンクと遭遇したときにエイミィがやってこなかったのだけが心残り…。
いや、ここのうっかり属性身に着けてしまったチンクでは修羅場発生どころか萌えキャラ扱いされてしまうだけかも。
次回からは原作時間軸に突入ですか。
なのはやフェイト、ユーノ達とどういう関係を築くのか楽しみにしています。
打刀 2008/11/13(Thu)18:34:26 編集
無題
ワタシは問いたい!!
何故!!そのままチンクとデートに行かなかったのかとぉぉぉぉぉ!!!!!!!(おい
フツノ 2008/11/13(Thu)20:45:55 編集
無題
3期に出る方法…
艦長及び提督にならなければいいでしょう。
執務官になってからも現役続行して、2佐位であり
総合でなく空のみであれば海の提督ならなければ出番は多くあります。
(あとエィミィと結婚せず、3人の誰かと繋がりがデカければですが)


後、クロノのBJは変更されるのでしょうか?
もし変更なしなら、横の突起をドリル化すれば”ギガドリルマキシマム”のようにできるかもしれませんよ。
ダブルクエスチョン 2008/11/13(Thu)23:45:21 編集
RES
>打刀さん
確かに、なのはって戦闘がメインってところもありますから、仕方がないのかもしれないですけどね。
熱血魔法バトルアクションアニメって言っているぐらいですしw
修羅場はありませんでした。申し訳ない^^
そのうち会えればいいんですけどねー。
次回からは原作に入っていきたいと思っています。
これからもどうぞよろしく~!

>フツノさん
それはやっぱり、クロノにもチンクにもその気がないからですよw
二人とも友達という感覚ですからねー。それはさすがに無いですよ^^
それにしてもチンクは人気があるなぁ。

>ダブルクエスチョンさん
まあ現場に出られない役職に就かなければ、三期には出てこれるでしょうね。
六課そのものに入れるかは微妙ですけど。
そこらへんは実際に三期までいったらですねー。
クロノのBJはわずかに変更されています。
そもそも肩の突起なくしちゃってます。すみません^^;
イデアを起動する回の時にでも、イラストを上げようと思いますので、よければ見てみてください~。
雪乃こう 2008/11/14(Fri)22:02:57 編集
イラストを書くだと!!それは楽しみです
イラストを描くのですか?
文字だけではデバイスやBJがどんな形をしているか説明されてもわかりにくいですよね?
なのでイデアはどんな形をしているか、どんなBJなのか、原作クロノとの差異はどんなものか、などとイラストで知りたかったんです。
なので楽しみに待ってます。


追伸

魔法も簡単なイラストで書いてくれないかな?
tomo 2008/11/15(Sat)23:32:50 編集
RES
>tomoさん
最初はこのHPイラストサイトだったんだぜ……。
とりあえず、クロノのBJスタイルを描いてみようと思います。
そこまで独創的なセンスはないので、デバイスともども微妙ですが、どうかご容赦を^^;
たぶん、第三部の第一話ぐらいに出せるんじゃないかなーと思います。
追記:魔法については今のところナシで。とりあえずカズマとシモンを浮かべておけば間違いはないかも(ぉ
雪乃こう 2008/11/16(Sun)23:01:45 編集
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