幕間1
クラナガンで一番大きいという局立病院(管理局が運営しているので)に入院して、そろそろ一週間になろうとしていた。
一週間前に俺とランドの身に起こったあの事件――。最終的には“想定外の事態に遭ったが、無事彼らは見つかり、任務も達成。特筆すべき問題ナシ”という扱いになったようだった。
これには当事者である俺や母さんみたいな保護者は猛反発――しそうなものだが(というか実際したが)、結局それを受け入れた。
というのも、地上本部のお偉い方さんがわざわざ病室まで訪れて、土下座まで披露したからだった。
なんというか……つまり、地上本部の人員不足ここに極まれり、と言うべきかなこれは。
俺が最新魔法医療を施しても一か月もかかる大怪我を負い、ランドも魔力が枯渇し、疲労困憊。こんな事態が起こったことが公になれば、「こんな企画やってられるか!」という意見が台頭するのは当然のこと。地上本部側はそれを何としても避けたいということらしい。
謝罪や話し合いに来た厳ついおっさん達の話を聞くと、もし今この企画がなくなった場合、地上本部の運営そのものが立ち行かなくなるかも、とまで言っているのだ。体験に来ている学生たちの手だけでなく、それらの経験をしたうえでこれから新規で入ってくるであろう局員が大幅に減ってしまうからである。
そりゃ、ミソのついた企業に入りたいと思う奴はいないだろう。今でも困っているというのに、噂が広まってさらに減っては地上本部解体――もしくは内部改革の話になるのは目に見えている。お偉いさんとしては、それは避けたいということだ。自分の権力なくなっちゃうし。
というわけで、山吹色のお菓子を持って足しげく俺のもとにやって来たわけである。
最初は金出して解決しようという根性に母さんと一緒になってブチ切れたが、それから三日間ものあいだ涙を滝のように流しながら何とか機嫌を取ろうとしているおっさんを見ているうちに、ほだされてしまった。
……いや、だって、ねぇ? もういい歳したおっさんが、十歳の子供に涙を流しながら縋りついてるんですよ? 「私には君ぐらいの娘が……」とか言いながら迫ってくるんですよ。あげく、「そんな話を聞いて放り出すつもりかね? 君は鬼かね、悪魔かね?」とまで言い出す始末。プライドないのか、あんた。思わず突っ込んだ俺は間違いじゃない。
それに対するおっさんの回答。
「プライド? なにそれ美味しいの?」
おk。死ねばいいのに。
三日間朝から夜までずっとそんな調子で、いい加減俺たちも折れたというのが真相である。十分な賠償金と、入院費や壊れたデバイスなどの被害額も全てそちらが補償。それらに関する金額に上限はナシ。というのが俺たちの出した条件。
俺の場合、チンクやレリックなど、第三期に繋がる重要事項を話したくないという事情もあったので、渡りに船でもあった。あちらからの頼みこみなのだから、立場的にこちらは上だ。なら、こっちが話さなければ俺が口にする義理も義務もない。正直、助かったといったところだった。
それらの条件をおっさんはあっさりと頷き、さわやかに笑って快く飲んだ。プライドもくそもない姿に今度こそ隠すことなく呆れ顔となったのを覚えている。
すると、そんな俺の心情を察したのか、おっさんはふっと唇の端を持ちあげて笑った。
「……少年。私はね、この地上の平和のために働いてるんだよ。そのためなら、私のプライドなどちっぽけなものだよ。差し出せと言われれば、幾らでも差し出そう」
ハードボイルドに決めるおっさんはちょっと自己陶酔が入っていたが、やってることはあまりに情けないし、「それ美味しいの?」とまで言っていた奴の言うことなので、あまり感動はしなかった。
というわけで、今回の問題には決着がついたのである。
さて、その時に俺にとっては非常に大きな、予想外の収穫もあった。おっさんの護衛的立場で一緒に来ていた人達。彼らと交流を持てたことだ。
「首都防衛隊所属のゼスト・グランガイツです。君がクロノくんか。よろしく」
にこやかに笑って握手を求めてくる好青年。なんとあのゼストがその護衛役の一人だったのである。なんでも、護衛なのだから最低でも首都防衛隊クラスがいい――せめて傍に置く者だけでもその方がいいだろうという話になり、空いているのがゼストさんしかいなかったらしい。
この頃のゼストさんはまだただの隊員であり、下っ端なのだそうだ。なので、こんなちょい役に借り出されたとのこと。
俺がひどく驚いたのは言うまでもないだろう。
しかもこのゼストさん。どうやら演習四日目と五日目に行われる模擬戦闘を務める手筈だったらしく、それを楽しみにしながらも参加できなかった俺のために、今度時間があったら模擬戦でもしよう、と約束してくれた。
これが一番の収穫だったかもしれない。
と、これが俺の身に起こった今回の事件の顛末である。多少事情聴取はされたが、チンクとレリックのことは一切出さず、俺たちはただ遭難しただけだと言い張った。ナイフの傷跡については、最初の崩落時に怪我を負って意識が朦朧としていたので、サバイバルナイフで刺して意識を保ったというふうにでっち上げた。実際自前でナイフは持ってたし。そう言っておけば、わざわざナイフと傷口を確認することはなかった。
まあ、前述したように向こうは俺に負い目があるので、怪しくは思うだろうがそれ以上は聞いてこれない。いやホント、あのおっさんには感謝だな。なんとなく感謝したくないが。
ちなみに、あの崩落した場所は調査しようにも手を加えれば周囲がすべて崩れる危険があるとかで調べられないらしい。それを聞いて思わずホッとした。
……たぶん、あの場所は第三期のアレで間違いないだろう。そんなもん調べられたらえらいことだ。原作崩壊も甚だしい。よかった、そうならなくて。
地上本部への体験企画、模擬戦の件、チンクらのこと――。それらはようやくひと段落ついたのである。
これで、あとは一つだけ。至急というわけではないが、失くしてしまった大事なものを何とかする。あとはそれだけだった。
■
「――くあ~~……。暇だなぁ……」
「そりゃねぇ。寝てるだけだもんね」
しょりしょり。
ベッドの上で上半身を起こしている俺の隣で、椅子に座ったエイミィがリンゴをナイフで剥いている。
今日は学校も休みの日。それを利用して、ロッサとエイミィがお見舞いに来てくれたのだ。
現在ロッサは花瓶の水を換えに出ており、部屋の中にいるのは俺とエイミィだけだ。そして見舞い品として持ってきてくれたフルーツ盛り合わせからリンゴをチョイスし、皮をむいていてくれているのだから、友達冥利に尽きるというものだろう。
「ぃよし、できたよー」
「お、悪いな」
剥き終わったリンゴを更に置き、食べやすいサイズにカットする。それが終わると、エイミィはフォークを皿に添えてこちらに差し出す。
俺はそれを受取って、ひと切れフォークで刺して口に運んだ。
しゃりしゃり。
うん。果汁が染み出てきて美味い。食感も爽やかでいい感じだ。
「いやいや、弟の世話をするのは姉の役目だからね」
「誰が弟だ」
果汁に濡れた指をウェットティッシュで拭きつつ、むふふーと笑うエイミィに思わず突っ込む。
俺も心のどこかでエイミィを姉と呼んでも差し支えないほど気を許しているところがあるのは自覚しているが、実際には全くの他人なのだ。あからさまに言われると、さすがに遠慮が勝る。嫌なわけではないが。
ただいまー、とロッサが帰ってくる。しかし、今はエイミィと話しているので意識から外す。
それに、女性に無条件に気を許すのは何となく嫌だ、という子供っぽい意地でもあったのだが、エイミィはそんな男の子の意地は気に入らなかったらしい。
えー、と不満げに唇を尖らせた。
「私、姉。君、弟。わかる?」
「まるで俺がバカみたいな言い方をするな。……ああ、もう。いいよそれで。うん。こんちくしょう」
「よしっ、公認だ!」
「なにがよしっ、だ」
ガッツポーズまで作ることか?
呆れ顔になる俺とは対照的に嬉しそうなエイミィ。まあいいか、と俺も一応は納得。しかし、そんな嬉しいもんかねぇ。
「おーい、クロノ? エイミィ? 帰ったんだけど……」
「姉っつっても、あれだぞ。別にこれまでと変わらないからな?」
「わかってるよー、そんなの」
「おーい……」
「てか、今までも普通にそんな感じだったのか。……うわ、なんか自分がすごく手がかかる奴みたいで嫌だ」
「あの……」
「え、自覚なかったの?」
「ふたりともー……?」
「「ああ、ロッサ(君)。いつの間にいたの?」」
「……(´・ω・`)」
部屋の隅で膝を抱えるロッサ。少しふざけすぎたかもしれない。
「冗談だってロッサ。悪かったよ」
「あはは、私も悪ノリしちゃった。ごめんね」
俺とエイミィが二人して頭を下げて、ロッサの機嫌を取ろうとする。
しかしロッサはしくしくと涙を流すだけだった。根気よく声をかけ続けて、ようやく俺たちのほうを向く奴の顔。じっとりと責める視線が非常に居心地悪かった。いや、ホントにすまんかった。
それからは三人でいつもの様な雑談タイムに入った。学校の様子や、教官たちも心配していたよ、などの言葉。それから、ロッサとエイミィの近況だ。
今度、エイミィは艦船通信士の試験を受けるらしい。受かれば原作のアースラのような艦船に搭乗することができるようになるらしい。その資格がないと次元艦船には乗れないのだそうだ。まあ、次元間を航行する船に簡単に乗れるわけはないので、納得と言えば納得である。
ロッサのほうは変わらず監察官にむけての勉強をしているぐらいらしい。ただ、卒業したらベルカのほうに戻るということを聞かされた。ロッサいわく留学当初から決まっていたことらしいが、初耳だ。どうにも仲良くなったために言いづらかったらしい。
まあ、ロッサの立場を考えればそれも当然と言えば当然だろう。もちろん俺はロッサを責めるなんてことはしない。黙っていたことを心苦しく思っているらしいロッサは表情を歪めていたが、俺はむしろ笑顔を浮かべてやる。
ま、向こうでも頑張れよ親友。そう言ってベッド脇の椅子に座るロッサの肩を叩いてやる。それにロッサははっとしたように顔を上げた。
ロッサの立場は分かっているつもりだし、親友としてはそんな小さなことでロッサを責めるなんてありえない。黙っていることが気になるなら、気にしていないことを態度で示してやるだけだしな。
と、肩を叩かれたロッサは、ありがとうクロノ、なんて笑って言っている。それに気にするな、と返せば、エイミィは俺たちを見て、青春だねぇ、と笑う。まさにいつもの俺たちだ。心地よい空気が実に気持ちいい。
しばらくそうして三人で話していると、コンコンとノックの音が室内に響いた。話を中断して、俺はどうぞーと声を大きくして入室を促す。
俺の返事を待っていたのか、間を置かずに気の抜けるような空気音がして扉がスライドする。扉が開いた先。そこに立っていたのは、母さんだった。
「あら、お邪魔だったかしら?」
柔らかく微笑みながら言う母さんに、俺たちはそんなことはないと返して、エイミィとロッサがわずかに身体をずらしてスペースを作る。上半身を起こしている俺の目の前に位置するそこに母さんが入り、母さんはわずかに身をかがめて俺の顔を覗き込んだ。
「顔色はいいみたいね。減っていた魔力も順調に回復しているらしいし……本当によかったわ」
「うーん、俺としては一か月もいらないんだけど。あと一週間ぐらいで」
怪我だって二週間あれば完治するはずなのだ。骨折、打撲、火傷、内蔵損傷などの大怪我ではあったが、全部それぐらいの時間で治るらしい。魔法様様だ。ちなみに内臓損傷といっても、そんなにひどいものじゃない。強い衝撃と失血が原因で一時的に機能が低下した臓器があっただけなので、軽度といっても差し支えない。
「ダメよ。怪我が治って魔力が戻っても、リンカーコアが回復しないと意味がないのよ?」
「へーい」
言っていることは分かるので、不満ではあるが一応頷いておく。それに対して、困った子だわ、とでも言いたげな顔で息をつく母さん。だって、身体自体は回復してきているんだから、寝てるのって暇なんだもん。
―― 一週間前。あのチンクとの戦いで俺が最後に使った魔法『ブレイクインパクト・バースト~全力全開ver~』は、当たり前だが相当にリンカーコアに負担をかけるものだった。
ほぼ11歳という未成熟な身体アンド未発達なリンカーコア。全魔力を一気に枯渇させたことだけでもリンカーコアには負担になったというのに、さらに他人の魔力も上乗せされてコアにかかる負担は倍。なにせ元は他人の魔力だ。我が物のように扱うためにはそれなりの措置がいるのである。
そこでさらにカートリッジまで三発も使用したのだ。それでついにリンカーコアがやられちゃったらしい。まあ、一ヶ月間様子を見れば回復するだろうということだが。その間魔法が使えないのは痛いなぁ。
という事情を鑑みれば、母さんの反応はしごく当然。むしろ俺がわがまま言っているだけである。だけど、それぐらい暇なのだ。察してほしい。
「……暇だなぁ」
「クロノくんはそれしか言わないね」
ここのところ俺の口癖にもなってきたセリフなだけに、聞き覚えのあるエイミィは苦笑した。
しかし、今の俺の楽しみと言えばこうして見舞いに来てくれるエイミィやロッサやランド(ランドは魔力の枯渇だけだったので既に退院済み)と話すことと、あとは学校の友人たちからの見舞い品としてロッサが持ってくる本を読むことだけなのだ(エロ本が混ざっていてエイミィにミジンコを見るような目を向けられたことは懐かしい)。
暇だと口に出すのも、一種のストレス発散である。もともと身体を動かすのが好きな俺なだけに、行動を制限されるのはやっぱり辛いのだ。ああ、動きたい。
「あら、それじゃあちょっとは退屈しのぎになるかもしれないわね」
だらーっと上半身の力を抜いていた俺に、母さんの声がかかる。退屈しのぎとは何のことだろう。がぜん興味を引かれて、俺は母さんに視線を移した。
「はい、これ」
そう言って母さんは自身のハンドバッグから数枚の紙を取り出す。ひとまとめにされたそれはレポートか何かのようだ。受け取って、目を通して見る。
「――ッ、これ……!」
数枚の書類に印刷された写真や文字、図面に真剣に目を通していく。
ストレージデバイス・S2Uの現状。メモリに蓄積されていたデータが無事であったことや、破損していたデータ箇所について。ガントレット型量産簡易デバイスG-1の損傷率、カートリッジシステムの不具合。
それから、これらのデバイスはそれぞれもう単体として使うことは不可能だという結論。S2Uは再起不能。G-1は能力不足。それらの説明がなされた報告書のようなもの。
そして最後に、今後どのようなデバイスを作りたいのかの意見を求む、といったような内容が書いてあった。
俺は書類に落としていた顔を上げる。母さんはにっこり微笑んでいた。
「新デバイスについて――。どんなものがいいのか考えることは、有意義でしょう?」
楽しそうに笑う母さんの笑顔につられるように、俺もだんだんと頬が緩む。
俺は笑顔で頷き、新しいデバイスに向けての意見を考え始めるのだった。
三日後。
俺は母さんに言われた俺の新デバイスについて思考を巡らせていた。あれから三日間、とにかく時間だけはあるので、時間を思いっきり引きのばしてゆっくり考えている。そうでもしないとすぐに決まったとしたらまた暇になるからな。
というわけで、今日も今日とて一人の病室で俺はペンをとって宙に映されたウインドウに向かうのだ。時には疑似コンソールを叩いて文字を打ち、絵が必要なところでは簡単な図を描く。そうして希望のものを形作っていっているのだ。
まず決めたのはその形状だった。
俺の攻撃方法が“殴る蹴るの暴行”が主となる近接戦闘であることから、形状は両腕にはめるガントレット型だ。肘までを覆う形で、拳までフォローしてくれると有難いので、そういった要望を書きとめる。ついでに「こんな感じ」ということで肘から手まで覆うイメージを描きだしておく。絵心はないが、ないよりマシだろう。
他には……あれだ。カートリッジ機構。あれがないと俺の秘奥義が使えないのだから必須だ。わかっているとは思うが、一応要望として出しておく。ああ、もちろん量産型じゃなくてなのはやフェイトが取り付けてたアレね。じゃないと困る。
それから、悩んだ末に決めた大きな改造点。ストレージからインテリジェンスへの変更も書き出す。
近接戦闘しかできない男である俺は、そのスタイルから一人で突っ込む傾向にある。言い方はあれだが、なにもそれは悪いことではない。近接戦闘者が最も力を発揮できるのは当然近接戦であり、自然と俺達の行動はまず“いかに相手の懐に潜り込むか”に焦点があてられるのだ。ゆえに、突っ込むというのは必要な行動でもあるのである。
しかし、それは一対一なら有効であっても、一対多の場合ではこちらが不利になる。なにしろ魔法の本領は遠距離戦だ。砲撃魔導師が花形と呼ばれるのはその攻撃方法が美しく、また非常に有効でもあるからなのだ。ゆえに、魔導師は遠距離戦を主体とする者が多い。砲撃魔導師の適性がなくとも遠距離攻撃は基本なのだ。
かくいう俺だって遠距離攻撃スキルがあるくらいなのだから、それを本業にしている奴らに囲まれたら目も当てられない。一対一なら負けるつもりはないが、数と相性はどうしようもないのだ。
話が逸れた。ストレージからインテリジェンスに変える理由は、主に俺のサポートである。突っ込まなければ始まらないという俺のスタイルを補助する存在が欲しいのだ。
ストレージにそれは出来ない。“自律思考でもって自主的に俺を助ける存在”が欲しいのだから。その点インテリジェントデバイスは優れている。唐突に俺に攻撃が迫っても、インテリジェントデバイスなら自分で判断して適切な対応を取ってくれる。ラウンドシールドを使うのか、プロテクションを使うのか。ある程度任せられるのはそれだけで大きな差だ。
最初は使い魔を持とうかとも考えたんだが……、保留にしておいた。まずは自分の力だけでやってみたいし、使い魔を使うとなると手続きや検査、はてはその世話費用含めて色々と入用になってしまう。今は絶対に欲しいとは思っていないので、特に必要はないと判断した。
うーん……とはいえインテリジェントデバイスにも限度はある。あまりに高度な判断は難しいし、暴走などの危険を考慮して高ランク魔法の自律制御をデバイスに任せることは禁止されている。もし高ランク魔法が必要な事態になった時、デバイスしかないと防ぐ手段が限られてしまう。
なにか便利な方法があればいいんだけどなぁ。こう……ナルトの我愛○のアレみたいなさ。オートで砂が防御とか。初めて見た時は「ちょwwそれなんてチートwwww」と思ったものだが、今は切実に羨ましい。魔法で出来んかなアレ。
とまあ、益体もない話は置いておいて。次に考えねばならんのは、あれだ。うん、この部屋の荷物の中に紛れ込んでるやつ。班長からお詫びプラス見舞いとしてもらったアレだ。
まあ、ぶっちゃければドリルである。まさかくれるとは思わんかった。どうも俺とランドが行方不明になった末に(特に俺が)大怪我を負ったことに責任を感じていたようなのだ。俺たちが見つかり、病室を訪れた時はこちらが申し訳なくなるぐらいに謝ってくれた。
俺としてはチンクにも会えたし、まあ問題ないのだが。殺しあった件は忘れるとして。
んで、しばらくすると班長も落ち着いたので、その時に班長のドリルを勝手に使いまくったことを詫びて返そうとしたわけだが。班長は役に立ったならよかった。よければもらってやってくれ、なんて言って俺にドリルをくれたのだ。
もらえるもんはもらう主義なのでそのまま受け取ったのだが、使いどころに困る。いくら魔法でも拳大サイズが巨大ロボットサイズまで変化するのはやりすぎだろうJK。ってかそんな技術が俺にはねぇ。「ギガドリルブレイクゥウウウ!」なんて言うこともできない。ちくしょう、ヴィータと仲良くなれたらアイゼンを参考にさせてもらおうかな。
おっと、ひとまずそんな思考は置いておいて。さてどうしたものか、と悩んだところで、ひとつ思いついた。そういえば、あの話の中でぐるぐる目玉の筋肉親父と戦った時。確か拳の両側面から二本のドリルを出して、相手の拳を破壊していたような。
……ふむ。使えるかもしれない。仕込みドリルか………………いいね!
俺は早速その旨も書き記していく。
――ふぅ。
おおまかにはこれぐらいだろうか。あとは細かい色やデザインなんかもあるが、そっちはぶっちゃけどうでもいいだろう。何色でもかまわない。
やれやれ、とようやく慨案が定まったことに安堵して、俺はベッドの上で一つ背伸びをした。
あ。
そう言えばもう一つあったっけ。
結構大事なことをすっかり忘れていた俺は、再度宙に浮かぶ疑似コンソールに向き合う。カタカタと文字を打ち込み、一つの単語を作り出すと、今度こそ俺はやりきった満足感に身をゆだねた。
ウインドウに表示された新デバイス慨案。その最後の行には他の文章とは違って、わずかな単語だけが記されていた。
ある意味で最も重要な項目。俺の願いを込めたその名前。
デバイス名:『イデアフィネス』
ラテン語で「理想」、あるいは「限界の領域」を指すその言葉は、まさに俺の目指すものにふさわしいだろう。
ついでにおもちゃ箱の「イデアシード」にもかかっている。俺ってばクロノだからね。とある平行世界的な意味でもうってつけな名前だ。俺のネーミングセンスに乾杯。
さて、これを提出すればいよいよ一ヶ月後ぐらいには新デバイスがやってくるわけだ。それまでは学校の簡易デバイスを借りなきゃいけないのが面倒臭い。
とはいえ、それも仕方がないこと。もともとは俺が壊してしまったのが悪いのだ。
まあ、S2Uの無事だったメモリやG-1をベースに作り直してもらえるようにも書いてあるし、俺にとって理想のデバイスになるはずだ。そう考えるとやはり楽しみである。
笑みを浮かべつつ、それでもデバイス変更の手続きって面倒なんだよなぁ、と考える。俺の場合、事情が事情だから変更の理由の欄が相当大変なんだよなたぶん……。
はぁ、少々鬱になる。俺はもう残り一週間ほどとなった病院生活に別れを告げた後のことを思い、ため息をついた。
□ とあるどこかの秘密基地
「――ふむ……。つまり事故だった、というわけかな」
「はい、ドクター」
目の前に立つ銀髪の少女からの報告を聞き終えた男は、ふむ、ともう一度頷いて押し黙った。
彼らがいるのはどこかの地下深くに建設された大規模な研究施設だ。地下、といっても電気設備は十分に機能しているようで、その明るさは室内という事実をかすませるほどに明るい。
男は有名な研究者であり、また異端の研究者でもあった。かつては学会においても優秀さを遺憾なく発揮して数々の栄誉を得た人物であり、そのまま普通にいけば将来は安泰のものとされ、むしろ人類の躍進に貢献する得難い存在になっていただろう。
だがしかし、それは普通にいけばという前提があってのこと。残念ながら、彼は全く普通ではなかった。
並外れた頭脳を持ち、抜群のセンスによって斬新かつ有意義な成果を上げてきた彼は、確かに普通ではないだろう。しかし、彼の異常さはそこにはなかった。
彼は貪欲だった。知ることに貪欲であり、得ることに貪欲であった。そしてその貪欲さこそがまさに異常だった。
動物たちは狩りをする。たとえばチーターは水牛を追いかけ、追い詰め、やがて仕留めて食べる。そして、チーターは満腹になれば去っていく。置いて行かれた肉や皮や骨はそのまま野ざらしとなり、肉は他の動物が食べつくし、皮や骨は土に還って植物や微生物を育てる。チーターは決してそのサイクルの邪魔をしない。そもそも骨や皮に用はなく、執着しないからだ。
だが、彼は違う。もし彼がチーターであったなら、残った肉を余すところなく持ち帰り、骨は武器に、皮は快適な寝床に、毛は防寒具に、血の一滴に至るまで己のものとし、それでも満足しないだろう。もっと、もっと、と求め続ける。血の一滴も残らないほどに搾り取りながらも、なお足りないと。
かつて誰かが彼をこう表した。『無限の欲望』と。
彼は貪欲だった。知ることに、得ることに、自分の糧とすることに。そしてその飽くなき欲望は、人の倫理など軽々と踏み越える。彼にとって自らの渇きを満たす障害となるものに固執する理由がないからである。
だからこそ彼は異常であり、それゆえに追われたのだ。人の命、人の尊厳、人の権利。最低限遵守すべき大切な何かが欠けた研究者として。
曰く『最高の天才』、曰く『正しく狂った者』、曰く『無限の欲望』。
広域指名手配犯罪者――ジェイル・スカリエッティは。
「クロノ・ハラオウンか……。稀少技能登録はされているようだ。現在で……Aランク? 管理局の情報は相変わらず古い」
間違いなく、AA+はあるだろうに。
スカリエッティは肩に触れる程度の紫の髪をわずらわしげに払った。
「しかし……チンクが退けられるとは少々驚いたよ。まあ、君はまだ調整段階ではあったが」
「……はい」
チンクは表情を揺るがせることもせず、ただ頷いた。
それを見て、スカリエッティはクロノの情報が表示されたモニターに再び目を向けた。
「クロノ・ハラオウンか……。欲しいな」
スカリエッティがつぶやいた瞬間、チンクの肩がぴくりと跳ねた。スカリエッティはそれに気がついたが、見ないふりをして続ける。
「だが、ハラオウンとなると話は別だ。母に現提督を持ち、さらにはギル・グレアムとも親交がある。それに、三提督とも……。リスクがリターンを上回るか」
その言葉に、チンクは顔を伏せて一つ息をついた。決して襲撃しないと約束した建前、それを破りたくなかった。甘い、のだろうが、チンクはどこかクロノに対して近しい何かを感じていた。それを裏切りたくなかったのかもしれない。
「チンク」
「っはい」
呼ばれ、チンクはスカリエッティの顔を見上げた。彼はどこか楽しそうに笑っている。それはいつものことではあるが、どうにもチンクには嫌な予感がした。
「これから君は実働任務から外れてもらおう。……ん、いや、この言い方は語弊があるな。正確には他にも兼任してもらうといった感じか」
「は? それは……なぜ?」
スカリエッティの意図が分からず、思わずチンクが問い返せば、スカリエッティはなおさら楽しそうに口元をゆがめた。
「決まっている! 君には監視をしてもらう!」
「は?」
「もちろん、クロノ・ハラオウンのだ」
「……はあ」
「ふむ……監視という言い方が気に入らないのかな? ではストーカーと――」
「いえ、結構です!」
きっぱり即答で否定して、チンクはちょっと頭を抱えた。
シリアスに話しているかと思えば、こうして突然ふざける。いったい何を考えているのか……。ウーノだったらわかるのだろうか、と思いつつもドクターの思考回路は誰にも理解できないんじゃないかとも思う。
とりあえず、チンクはなんだか早めに退室したくなった。短く理由だけを尋ねる。
「それは、なぜですか?」
「言っただろう。私は彼が欲しい。いずれ機会があるかもしれないのでね。見張っていてほしいのだよ。まあ、彼が私に必要なわけではなくあくまで興味の対象であるから、そこまで無理をすることはないがね」
肩をすくめるスカリエッティを見て、チンクはふとトーレが言っていたことを思い出した。
(そういえば、今はF計画のほうが佳境に入ってきているとか言っていたな。それで、か?)
研究成果を持ち逃げされた、と可笑しそうにドクターが言っていたらしい。確か……テスタロッサという魔導師だったか。そこまで思い出して、チンクは思考を切り上げた。どちらにせよ、あまり必要な知識ではない。
「わかりました。引き受けます」
姿勢を正して受け答えをする。スカリエッティはそれに頷き、もう用はないとチンクに告げた。
チンクはその言葉を聞き、スカリエッティがいた部屋から退室する。チンクとしてはなんだかどっと疲れた気分だ。はぁ、とため息をつきつつ廊下を進む。
(しかし、監視か……)
ドクターは無理をする必要はないと言っていたし、本当に最低限でいいのだろう。ああいうところで曖昧な表現をするような人ではない。興味は持ったが、別に無理をするほどではない、ということ。その程度なら、彼らを襲撃することはなさそうだ。
ほっと胸をなでおろし……ふとチンクは訝しむ。どうにも、奇妙な感覚だった。安全を喜ぶ、というのは仲間内でしかなかったこと。しかし、いまチンクが感じているのは、間違いなくその類の安心だった。
(ん……まあ、いいか)
そこまで気にすることでもあるまい、とチンクは自己完結して歩を進める。とりあえず自分が兼任という形で実働の幅が狭まることをトーレに告げ、ある程度の今後の活動について詰めなくては。それからついでに格闘訓練もつけてもらおう。どうやら自分には近接戦闘の経験が圧倒的に足りていないようだ。
それから、それから……。これからすべきことを頭の中でいくつもシミュレートしながら、チンクは廊下を進む。つい先ほど心に宿った疑問をすっかり忘れ果てて。
彼女がクロノに対して感じた胸のしこり。その感情が「友人」に対して思うそれに限りなく近いものであることに彼女が気がつくのは、当分先のことである。
チンクが去ったあと、ウーノがスカリエッティの部屋を訪れた。スカリエッティの研究の経過報告をまとめたデータを携えてきた彼女は、部屋の主に目を向けて、その怜悧な美貌をわずかに崩す。
「……どうされたんですか?」
くっくっ、と喉の奥で隠すように笑っていたスカリエッティは、それでようやくウーノの存在に気がついた。
いやなに、と笑い交じりに前置きして、スカリエッティは言葉をつづけた。
「……子供とは成長するものということか。親の気持ちとは、こんなものなのかもしれない、と思ってね。くく……」
「はぁ……」
相も変わらず奇抜な行動を起こす主に微妙な返事を返すと、ウーノは扉のそばから部屋の中心へと歩いていく。スカリエッティの目の前まできた彼女は、笑っている彼の面前にウインドウを開いた。
「お仕事です、ドクター」
「……ふ、わかっているよ」
ようやく笑みを押えこんで、スカリエッティはウインドウに目を移す。その目にはもう一欠片も楽の感情は映し出されていなかった。
――狂気の科学者、ジェイル・スカリエッティ。彼の思考が果たしてどこに向かっているのか。それを知る者は彼以外には存在しえない。
続
==========
あとがき
幕間1です。
要するに第二部から第三部までの間のお話ですね。
今回の主題は「クロノの新デバイス」です。形状は両拳につけるガントレット型。そのうち絵に起こして公開しようと思います。まあ、そこまで綺麗には描けませんが、イメージがしづらいという方はどうぞ、ということで。
あとはスカリエッティ側をちょこっと。
なぜかスカさんが少し変な人になってしまった。しかし、私の中のスカさんはあんなイメージ。子供っぽいところもある変人で加減知らずな倫理何それ美味しいの? な人。あんまりダークは好きではないのでダークさはありませんが、内面は原作どおりダークです。今はあんまりそんな様子はなかったかもしれませんけどね^^;
次は幕間2です。
内容はまだ未定。書き上げたらまた読んでやってください。
たぶん来月以降になるんだろうなぁ、と思いつつ。
関係ないけど、新デバイスを真デバイスと書くと真ゲッターみたいですよね。
まさにゲッター2。アレですか。地中に潜ったりするんですね。わかります。
ゲッター1はなのはさんが適任ですが、ゲッター3は適任者がいなくて残念です(謎
閑話休題。
エイミィが姉弟宣言をしていますが、時間が経つにつれ、クロノの成長にドキマギする展開を期待してみるw
やっぱりドリルですか。なんか安心してしまいました。ドクターの見立てが正しいのなら原作登場時点でのクロノと互角の魔力量に持っていけるかな?
チンクの出番が続くようで嬉しいです。ぜひともエイミィと修羅場を発生してくれることを期待します。
シェルブリットタイプですか?
それとも初期タイプですか?
ゆくゆくは全身型で”グレンラガンタイプ”か”カズマS級”でしょうか。
これなら、遠近両方できるでしょうし
ドリルが標準装備になるようだけど、これがどういう風に使われるのか楽しみです。
チンクはクロノのストーカー(監視)になったけど、チンクの出番が増えて嬉しいし、エイミィとの三角関係で修羅場が発生してくれるのを期待しています(笑)
クロノが楽しみにしていた模擬戦の相手がゼストだったとは。クロノとゼストの模擬戦の様子が楽しみですね。
チンクはクロノの監視(ストーカー)を命じられた様で、どんな形で監視するのか楽しみですね。個人的にはクロノが執務官に成った時に補佐官としてエイミィの他にもう一人と言われて登場したのがチンクでクロノが物凄い驚くと言うのを見てみたいですけどね。
後は・・・ハッ、
両腕+ドリル=無常矜侍orアルター結晶体
これか!?
クロノの監視、か。
こうとしか想像できないっス。
街中でクロノの監視→挙動不審→回りから注目される→結果クロノに見つかる→会話(ごまかしor事情説明)→クロノから遊びの誘い→チンク了承→『デート成立』
追記 エイミィこれを目撃。エイミィフラグ縮小。
こんなかんじ?
やるとしたらフルドライブモードのときにやるべきだと思うのでフルドライブできるようにしてほしいです。
あとチンクがヒロインとまでいきませんが友人のようにクロノのことを考えるようになったようですね。
このままヒロイン化してほしいです。
幕間に入って、クロノが女の子とフラグを立て始めましたね。
チンクは、友情が恋へと変わるのか、それともこのまま親友もしくは相棒になるのかこれからが楽しみです。
エィミィに関しては、他のssやあの性格から類推するに、子供のクセに妙に背伸びして他人と孤立している彼にかまっている内に弟的存在になったと推測されますが、
こちらのクロノはヤンチャ過ぎてほっておけないといったところでしょうか?
判りやすく言うと優等生とヤンチャ坊主。
こういう微妙な原作との違いが今後のエィミィとの恋に左右してきそうですね。
後、最初の内は、クロノは原作通りに進むことを望んでいる節が見受けられましたが、段々と「この世界で生きる人間」として自分らしく生きているところは好感が持てます。
あくまで私の考えですが人は、未来がわからないからこそ今を一生懸命生きることができる。
そして人生の過程で得られたありとあらゆる経験がその人物を作り出し、そしてそんな彼だからこそ今、自分ができる「最善の結果」を示すことができると思うのです。
だから逆行すれば、自分の思い通りになるというのには、少し首を傾げてしまいます。
判りやすい小説として、
「Céad Míle Fáilte」のマンギーさんの短編、「断罪者に捧げる言葉」やその他の小説、
「のんびりとてとて」の長編、「あなた何様?」
ですね。
エヴァの逆行や断罪系の小説ですが、少し視点を変えた作品です。
本当にやり直せたら、自分の思い通りになるのかということを考えさせてくれる小説です。
彼なら、このような作品のような失敗はないと思うので大丈夫でしょうね。
長文すみませんでした。
そして絵にしていただけるという「新デバイス」を楽しみにしています。
ドリルといえばゲッター2ですよねーw
もうなんというか、ドリル標準装備は単にノリです。無理が出ないように話作らないと…^^;
エイミィさん含め、今後どうなるかはまだ未定。
どうかお楽しみに~^^
>打刀さん
ドリルも折角なので組み込みましたw
正式なクロノのランクは次ぐらいに出てくると思いますのでー。
チンクは出したからにはちょこちょこ出そうかと。お楽しみに~^^
>シンさん
ドリルに皆さん期待されているようでw
ヴィータとの出会いは面白そうですね。その前にA'sまで行かないとですけど…^^;
>hanaさん
それはいいアイデアですねw
なるほど、あれはこのクロノの影響だったのかw
>ダブルクエスチョンさん
さ、さすがに全身というのは最早デバイス超えちゃってるような気が…^^;
デバイスの形状についてはスクライドを参考にはしませんです。
あくまでリリカル世界での常識で収まる範囲内のデバイスの形にしようと思っていますよ~。
>リョウさん
ガットレットとはいっても二の腕まではいきませんので、シェルブリットとはなりませんよー^^;
惹かれるものがあるのは認めますが、あくまでここはリリカルなのはの世界ですしね。
チンクも出すつもりですが、さすがに本編には絡んでこないと思います。今のところは。
もし第三部以降で出たら「おお、珍しい」ぐらいの気持ちで見てやってください^^
>俊さん
もはやデバイスではないようなw
ブーツ型は…どうしようかなぁ。今のところそこは保留なんですよね。まあ、デバイスってことにしてもいいですけどね。
アームドデバイスのほうは当分ないですね。拳の男ですからうちのクロノはw
ゼストやチンクが再び出てくるのかw ご期待ください。
>フツノさん
無常矜侍ww
まったく考えてなかったですよw
チンクさんについてはまたいずれ。次回あたりもう一回出てくるかも…。
>tomoさん
ギガドリルですか…。いつか出来たらいいですねぇ。完全にネタ技ですけどw
皆さんどうにもチンクのことが気になるようでw
今後の展開にご期待くださいとしか言えないです。申し訳ない。
というわけで、また次話をお楽しみに~^^
>ゼノンさん
チンクやエイミィとの関係の行方…。私の中ではある程度もう決まっているのですが、どうか今後を楽しみにしていてください^^
それにしても、クロノもついに十一歳までたどり着きました。やっぱりその中で考えが変わっていくのは当然だと思うんですよね。チンク戦で言っていたように、周りが大事に思えるから、とか諸々の理由で。
こうして第二の生や逆行のような特殊な状況で、どんなふうに心が変化していくのか。
そういったところもこのジャンルの面白いところだと思います。
エヴァなんかはSSも多いですし、ジャンルの中でもさらに小分けできて面白いですよね。
それでは、新デバイスのほうもお楽しみに。
あんまり期待はしないでくださいね^^;
それでなくても相手にぶん殴るのが基本戦術のここのクロノ君のデバイスに、耐久性にやや不安のあるインテリAIを積むのはまずいのではないかと思いました。
以下感想
ここのクロノ君はトリッパーがよく陥る「保身のために最善を尽くさない」?%E:426%#ヤになってますね。原作から外れて原作知識に頼れなくなることを恐れてゆりかごを秘匿とかかなりお粗末な感じがしました。ロッサになんか遺跡があったと伝えればそれでスカ博士はゆりかごを使えなくなったのに。
あと必死に頭を下げる大人を馬鹿にしたような考えはどうかなーと感じました。
色々書きましたが、自分は管理人さんの書く家族愛とか友情とか熱血展開とかが大好物な生物です。チンク戦とかロッサとの関係とか大変楽しく読ませていただいてます。
長文失礼しました。
そういえば確かに、インテリジェントを組み込むには少しきついかもしれませんね。
うーん…核の場所をどこかに移すとか…色々考えてみます。
ゆりかごについては、確かに言っちゃえばよかったかもしれませんね。けど、それでスカ博士捕まえられるわけではないし、StSでもっとこズルイやり方で来るかもしれない。私たちはこうして外から見てますから、新しい展開バンザイなんですけど、やっぱり当事者(クロノ)からしたらそれはやっぱり不安だし、精神的にキツイだろうと思ったので、結局放置しました。
ただ、ゆりかごの場所は把握した、という点はクロノにとって収穫でしたので、それで満足したともいえるのですが。
あと局員さんたちへのクロノの態度ですが、そもそもお金で済まそうとしていることに腹を立てているので、態度が硬くなるのは仕方がないと考えます。
あんまりシリアスになってもアレだなぁ、と思って中途半端にギャグっぽくしたのがいけなかったかも…。反省しています。
ご指摘&感想ありがとうございました。拙作ではありますが、これからも「まつろわ」よろしくお願いします。
主人公のATF合成で思ったんだが…封鎖結界に混ぜたら自分だけ魔法使える固有結界的な物になるのでは?
本編では真面目一本槍だったクロノに憑依することではちゃめちゃなキャラになったのが面白いですw 個人的にはギガドリルブレイクで時の庭園やらゆりかごを破壊するクロノを見てみたいです。
ところで上で挙がってるカートリッジシステムの問題ですが、
・リボルバーナックルとマッハキャリバーのように別にデバイスを作って制御する
・はなからアームドデバイスとして製作する(レヴァンティンとかを見る限りインテリに負けず劣らず自我があるみたいなので)
・無理に搭載して後のパワーアップのフラグとする
素人考えですがこの様な手があるかと。
お初ありがとうございます^^
どうかこれからも見続けてやってくださいです、はいw
ATFを結界にですか…。
考えてみましたが、アレは「ATFを纏わせたものに接触する」ことで魔力を遮断する現象が起こるものです。なので、たぶん結界の壁自体に触れていなければ効果が出ないと思います。
つまり、結界の中にいるだけでは効かないってことですね。わざわざ結界の端まで行って触らせないといけないので、実用度は低いと思います。
……しかし、固有結界か……。
やってみたくはありますよね(ぉ
ご意見ありがとうございましたー^^
>ルシィファーさん
かっ飛んだクロノによって、ブレーキ役不在の本編が始まりますw
ドリルについてはどうかお楽しみに!
カートリッジの問題……なるほど、色々とやりようはありますね。
確かにヴォルケンズのやつは、めちゃくちゃ喋ってますしね。
あとはデバイスの奥の方に核部分を隠す、とかかな。
参考にさせてもらいます。
ありがとうございました^^
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